PHPに重大な脆弱性「php2shell」発覚 世界で数百万回の攻撃試行、日本でも行政やインフラに影響拡大
世界で広く使われるPHPに外部から乗っ取りが可能な重大脆弱性が発覚し、数百万回の攻撃試行が確認されるなか、日本でも行政や大手企業がサイト停止や緊急パッチ適用などの対応に追われている。(写真/中央社提供)
インターネット上の多くのウェブサイトを支える主要プログラミング言語「PHP」において、極めて深刻な脆弱性が公表され、世界中の企業や政府機関が緊急対応に追われている。
PHPに深刻な脆弱性、世界中でサイバー攻撃が急増
開発元であるThe PHP Groupは10月21日、認証なしで外部から任意のコードを実行される恐れがある重大な脆弱性2件(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619、通称「php2shell」)を公表し、修正パッチを含む最新版の公開とともに即時アップデートを強く呼びかけた。
深刻度を示すCVSSスコアはいずれも最大級の9.2(Critical)と評価されており、米国のサイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)も緊急のパッチ適用を促す注意喚起を発表した。
今回の脆弱性は長年にわたり潜んでいたものが人工知能(AI)によって検知されたとされ、修正パッチが整う前に情報の一部が流出した。クラウドサービス大手Cloudflareの最高経営責任者(CEO)であるマシュー・プリンス氏によると、情報公表前の10時間で数千回の攻撃が確認され、公表後は急増して現在までに数百万回に達している。
マイクロソフトのサティア・ナデラCEOが「このような状況は非常に久しぶりだ」と語るなど、AIを悪用したサイバー攻撃への備えと、ソフトウェアの継続的な保守管理の難しさが改めて浮き彫りとなっている。
国内の金融・交通・行政機関にも影響、早急な対策を呼びかけ
特に日本国内における影響は顕著で、野村證券や三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)といった金融機関、全日本空輸(ANA)、JR東日本のほか、財務省、気象庁、国税庁などの政府・行政機関でも一部のオンラインサービスが一時的に停止された。
10月21日夜には、高市早苗首相および国家サイバー統括室がSNS上で速やかな修正パッチの適用を呼びかけ、即時対応が困難な場合はウェブサイトの予防的な一時停止も有効とする異例の緊急メッセージを発信した。
PHPはコンテンツ管理システム(CMS)の「WordPress」などを含め、世界のウェブサイトの約7割を支える基盤技術である。今回提供された修正版はPHP 8.5.12、8.4.27、8.3.36、8.2.35であり、公式サポートがすでに終了しているPHP 8.1以前の旧バージョンには修正版が提供されない。
専門知識や専任の管理者を欠く中小企業では長期間放置されたサイトも多く、第三者による改ざんや情報流出、攻撃の踏み台に悪用される二次被害が懸念されており、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)や国内のIT各社が利用環境の確認と対策を急ぐよう警鐘を鳴らしている。
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