フランスで大規模暴動、パリなどで夜間外出規制 欧州各地に広がる抗議の波
フランスでは先週末、コロナ禍以降で最大規模の暴動が発生。反政府デモは暴力や略奪、警察との衝突へと発展し、複数の都市で混乱が広がった。(資料写真/AP通信)
フランスで先週末、コロナ禍以降で最大規模の暴動が発生した。反政府デモが暴力行為や略奪、警察との衝突へと発展し、国内の複数の都市が混乱に陥っている。フランス政府は19日夜、パリ中心部の一部および複数都市で夜間外出禁止令を発出したが、デモの波はすでにイタリア、ベルギー、ドイツなど欧州各国へと波及している。台湾外交部(外務省)の陳明祺政務次長は20日、メディアの取材に対し、現時点で現地滞在中の台湾人が巻き込まれたとの報告は受けていないと述べ、今後の情勢の変化に応じて渡航警戒レベルを調整する方針を示した。
海外メディアの報道によると、フランスでは9月中旬から学校の環境改善を求める学生による大規模なボイコットが発生しており、17日には生活費高騰に対する全国的な抗議デモと合流した。主要都市で行われた約110件のデモには50万人以上が参加。デモの大半は平和的に行われたものの、デモに乗じた一部の暴徒が略奪や破壊活動を行い、国内で1000軒以上の店舗や国の象徴的施設が被害を受けた。路上には砕けたガラスや焼け焦げた車の残骸が散乱しており、二度の世界大戦を生き延びたリモージュ(Limoges)市庁舎も放火によりほぼ全焼した。
フランスでは19日、パリ中心部の一部をはじめ、南部のマルセイユ、ボルドー、ニース、リヨン、北部のリールなど複数の地方自治体が夜間外出禁止令を発出し、さまざまな措置を講じて移動や集会に制限を課している。しかし、政府に対する不満の波は欧州各国に広がり、フランス周辺のイタリア、ベルギー、ドイツ、ポルトガルだけでなく、バルカン半島のアルバニアや南欧のギリシャなどでも抗議活動が発生している。イタリアでは複数の都市でデモが暴動へと発展し、ミラノでは暴徒が投石するなどの事態が起きている。
台湾外交部の陳政務次長は20日午前、卓栄泰・行政院長(首相に相当)の施政方針報告および質疑応答に同席するため立法院(国会)に入った。会議前のメディア対応で陳氏は、欧州の人気観光都市でデモが頻発していることについて言及し、フランスやイタリアなどで起きている状況を外交部として注視していると述べた。また、駐フランス代表処および駐ミラノ弁事処といった在外公館からの報告によれば、現地に滞在する旅行者や留学生からの緊急救助の要請はないものの、陳氏は台湾市民に対し、常に警戒を怠らないよう呼びかけ、在外公館も適宜必要な支援を提供すると強調した。
さらに陳氏は、外交部が現地情勢を注視しており、現在の渡航警戒レベルは維持するものの、状況に変化があれば適切に調整すると説明した。「問題が起きてから調整するのか」とのメディアの追及に対し、陳氏は「全体的な情勢を総合的に判断する。現段階では警戒レベルを引き上げる状況にはないが、今後の展開を注視していく」と答えた。また、在外公館が現地政府、台湾人コミュニティ、留学生、旅行者と緊密に連絡を取っているとし、「必要があればすぐに渡航警戒レベルを調整する」と加えた。
台湾時間20日午前10時現在、外交部領事事務局の公式ウェブサイトに掲載されている、フランス、イタリア、アルバニア、ドイツ、ギリシャ、ポルトガルなどの渡航警戒レベルはレベル1(灰色、注意喚起)に据え置かれている。一方、ベルギーはレベル2(黄色、渡航の是非検討)となっている。これは、ベルギー国家危機センターの安全保障上の脅威分析に基づき、2023年10月16日にブリュッセルで外国人2人が死亡するテロ事件が発生して以降、ベルギーの脅威分析調整ユニット(CUTA/OCAM)が同国の総合的な脅威レベルを「レベル3:深刻(Severe/Grave)」と評価し、これが2026年8月まで継続するとされたためだ。
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