フランスで高校生や若者によるデモが急速に激しさを増し、各地で暴力的な衝突や放火、破壊行為に発展している。今週の逮捕者は5000人を超えた。
流出したとされるパリ警察の情報分析は、一連の行動が単なる学生の抗議にとどまらず、一部の極左政治団体や学生組織が背後で動員に関与し、街頭の混乱を拡大させてフランスの政治情勢に影響を与えようとしている可能性があると指摘した。
ローラン・ニュネス内相によると、今週の暴動で逮捕された人の約85%は18歳未満だった。全国で1000校を超える高校の周辺で「学生行動」が起き、一部では警察官への攻撃や放火、公共施設の破壊などの暴力に発展し、パリをはじめ各地の治安に影響が出ている。
組織的な政治動員の可能性
パリ警視庁がまとめた情報分析は、事件の背後に、より組織的な政治動員があった可能性をみている。
仏紙フィガロが入手した報告書は、この運動が「学生組織や極左に近い政治運動への働きかけに明確に端を発している」と指摘。「青年革命的共産主義者」(Young Revolutionary Communists)や、左派政治家ジャンリュック・メランション氏が率いる左派政党「不服従のフランス」(LFI)など、政治組織のメンバーの一部が動員に関わった可能性があるとした。
パリ警察の情報部門は、一部の極左系労組や政治組織が、選挙期を控える中、街頭での衝突や社会不安を引き起こして政治的影響力を広げる「動乱に火をつける」戦略を取っている可能性があるとみている。
報告書によると、抗議に加わった高校生の一部には、市街地での暴力行為を含む深刻な逸脱行動がみられた一方、一部の行動には「明確な社会的要求がない」。このため報告書は、一部の高校生が極左の活動家や組織に後押しされた可能性があるとしている。
分析対象40件の約4分の1、警察が極左活動家と特定
パリ警察は特に、パリ第8大学とパリ・ナンテール大学の学生組織に言及し、メンバーの一部が高校生の動員に関わった可能性を指摘した。名前が挙がった学生団体には「ル・ポワン・ルヴェ(掲げた拳)」や学生組合連合(FSE)などが含まれる。
警察は、一部の抗議行動の組織のされ方からも、より熟練した政治的・労組的な動員の存在を読み取っている。
例えば、迫撃砲型の花火などで警察官を攻撃した疑いのある参加者が逮捕されると、デモ参加者がすぐに警察署の前に集結した。
警察は、こうした行動は一部の左派系労組の過去の動員パターンに似ているが、一般の高校生の間ではあまり見られないとして、外部組織の関与を示す兆候の一つとみている。
報告書が分析した逮捕事案40件のうち、約4分の1の容疑者は、警察が極左活動家と把握していた人物だった。
彼らはすでに高校を卒業しており、生まれ年は1999年から2005年ごろ。街頭行動の参加者の一部は高校生ではなく、政治活動歴のある成人だったことになる。 (関連記事: 【論評】「清算の時」は来るのか 世界で高まる「債務不安」 米国債40兆ドル、仏日にも売り圧力 | 関連記事をもっと読む )
仏政府も同様の見方を示している。セバスチャン・ルコルニュ首相の事務所は今週、仏情報機関は一連の暴動について、「不服従のフランス」とその極左系の同盟勢力や関連組織が関与した政治的な動員だった可能性があるとみていると明らかにした。
















































