沖縄県警は4日、普天間基地(沖縄県宜野湾市)に所属する米海兵隊上等兵(Lance Corporal)のデビン・ジェイコブ・バラード容疑者(20)を強盗殺人容疑で緊急逮捕した。バラード容疑者は3日未明、那覇市内のホテルで39歳の女性を殺害し、財布とリュックサックを奪った疑いが持たれている。
米軍の準機関紙『星条旗新聞』の報道によると、バラード容疑者は在日米軍の第3海兵遠征軍(III MEF)に所属している。事件現場は那覇市若狭の「波の上クリスタルホテル(Naminoue Crystal Hotel)」。
日本の各メディアによると、現場のホテルは那覇市の繁華街に位置し、沖縄都市モノレール(ゆいレール)の県庁前駅から約1キロの距離にある。沖縄県警は、犯行時刻を3日午前2時10分から同4時17分の間とみている。
同日午前4時20分から30分ごろにかけて、ホテル従業員が室内で倒れている女性を発見し、その場で死亡が確認された。県警は現場の状況から他殺とみて、捜査本部を設置した。
ホテルの防犯カメラには、被害女性が男と一緒に部屋に入る様子が映っていた。その後、男は女性の所持品を持って1人で立ち去っていた。奪われた所持品はその後、ホテル周辺で見つかった。警察は映像に映っていた、坊主頭に黒のタンクトップ、七分丈のズボン、白いスニーカー姿の男の行方を追っていた。
沖縄県警は那覇署に197人態勢の特別捜査本部を設置した。共同通信の報道によると、事件当日の3日深夜、沖縄市内の繁華街を1人で歩いていたバラード容疑者を私服警官が発見して職務質問し、任意同行を求めた。翌4日、県警は緊急逮捕に踏み切った。
時事通信および『沖縄タイムス』によると、バラード容疑者は逮捕後、「私は知りません」と供述し、容疑を否認しているという。沖縄県警の報道担当者は『星条旗新聞』に対し、バラード容疑者が本件の容疑者であることを認めたが、正確な死因や取り調べの詳細については明らかにしなかった。
米海兵隊の報道官を務めるタイラー・トーマス中尉(1st Lt. Tyler Thomas)は、海兵隊として日本の捜査当局に全面的に協力していると述べた。また、軍として関連する容疑を極めて深刻に受け止めており、全隊員に対して最高水準の行動規範を順守するよう求めていると強調した。 (関連記事: 沖縄知事選、42歳・古謝玄太氏が玉城デニー氏を大差で破る 辺野古「容認」へ12年ぶり県政転換 | 関連記事をもっと読む )
在日本米国大使館も声明を発表し、米軍関係者の身柄拘束を把握しているとした上で、遺族に哀悼の意を表した。
【ニュース解説:在日米軍による過去の事件記録】
1960年に締結された『日米地位協定』は、日本における在日米軍の法的地位を定めている。同協定第17条では、被疑者の身柄が米側にある場合、原則として日本側が起訴するまで米側が引き続き身柄を拘禁する。
しかし1995年の日米合同委員会合意により、殺人や強姦などの凶悪犯罪について日本側が起訴前の身柄引き渡しを求めた場合、米側がその要請に「好意的な考慮」を払う運用となった。今回の事件では、日本の警察が市街地で容疑者を直接確保したため、身柄の引き渡しに関する問題は生じていない。
沖縄に駐留する米軍を巡っては、過去にも重大な犯罪がたびたび発生している。1995年9月には米兵3人による12歳少女暴行事件が発生。米側が当初、起訴前の身柄引き渡しを拒んだため、約8万人が参加する大規模な抗議集会に発展した。この事件を機に、日米は普天間基地の返還に向けた協議を進めた。
2016年4月には、うるま市で元海兵隊員が20歳の女性を殺害し、無期懲役の判決を受けた。その後、日米は補足協定を締結し、協定の保護対象となる「軍属」の範囲を縮小した。
さらに2024年から2025年にかけて、空軍や海兵隊員による女性への性犯罪事件が相次いで発覚した。日本政府から沖縄県への情報共有が遅れたことで、政府の対応に批判が高まり、日米による市街地での合同パトロールが再開される契機となった。


















































