流行とカルチャーの発信地である東京都渋谷区円山町に、新たなアパートメントホテル「VADE HOTEL SHIBUYA」が10月1日に開業した。
本プロジェクトは、JR西日本プロパティーズ、LAホールディングスの子会社であるラ・アトレ、matsuri technologiesの3社が共同で開発した新ホテルブランドの1号店で、設計施工は高松建設が担当した。
地上7階建て、延べ床面積3918.18平方メートルの規模で、京王井の頭線神泉駅から徒歩約2分、渋谷駅から徒歩約8分に位置する。チェックインは16時、チェックアウトは11時。
JR西日本プロパティーズなど4社が協業し、訪日客のグループ需要に対応する全室4人以上宿泊可能なアパートメント型ホテル「VADE HOTEL SHIBUYA」を、渋谷・円山町に開業した。(黃信維撮影)
「大人のストリート」を表現 新ブランド「VADE」の1号店 新ブランド名「VADE」は、「Value(価値)」「Arouse(刺激)」「Discovery(発見)」「Encounter(出会い)」の頭文字に由来する。
渋谷がストリートカルチャーの発信地であることを軸にしつつ、「上質な」ホテル体験として「MIDDLE STREET」をデザインコンセプトに据えた。
若者を想起させる青を少しくすませた「大人の青」をテーマカラーに採用し、裏テーマである「大人のストリート」を表現している。モルタル壁面に囲まれたエントランスロビーの中央には、空間のシンボルとして盆栽を配置した。
JR西日本プロパティーズなど4社が協業し、訪日客のグループ需要に対応する全室4人以上宿泊可能なアパートメント型ホテル「VADE HOTEL SHIBUYA」を、渋谷・円山町に開業した。(黃信維撮影)
全74室が4人以上に対応 グループ・ファミリー需要に対応 観光庁の調査によると、3人以上で旅行するグループ・ファミリーが全体の54.5%を占める一方、3人以上が宿泊できる客室は36.1%にとどまり、約18.4%の需給ギャップが生じている。
この課題を解決するため、全74室すべてを4人以上に対応したアパートメントスタイルルームとして設計し、総定員は304人に上る。
客室は約33.1平方メートルから約77.2平方メートルまでのバリエーションを用意。全室にキッチン、洗濯機、独立した浴室(シャワールーム)、スマートキーなどを完備している。
JR西日本プロパティーズなど4社が協業し、訪日客のグループ需要に対応する全室4人以上宿泊可能なアパートメント型ホテル「VADE HOTEL SHIBUYA」を、渋谷・円山町に開業した。(黃信維撮影)
円山町の活性化にも期待 4社がそれぞれの強みを活用 開業式典で、JR西日本プロパティーズの小山健介社長は、円山町が近年、多様な店舗の増加によって変貌を遂げている点に触れた。
ホテルの目の前に公道カートの基地があるなど特徴的な立地ではあるものの、国内外の旅行客に滞在してよかったと感じてもらい、円山町エリアのさらなる盛り上がりに貢献することへの期待を語った。
JR西日本プロパティーズなど4社が協業し、訪日客のグループ需要に対応する全室4人以上宿泊可能なアパートメント型ホテル「VADE HOTEL SHIBUYA」を、渋谷・円山町に開業した。(黃信維撮影) 続いて、ラ・アトレの脇田栄一社長は、2000年代以降のホテル開発の歴史を振り返り、リーマンショックやOTAの台頭を経て、現在の最大の課題は海外の外資系ホテルオペレーターといかに競争していくかだと指摘した。
JR西日本プロパティーズなど4社が協業し、訪日客のグループ需要に対応する全室4人以上宿泊可能なアパートメント型ホテル「VADE HOTEL SHIBUYA」を、渋谷・円山町に開業した。(黃信維撮影)
4000ユニット超の運営ノウハウ 24時間365日で宿泊客をサポート 施設運営を行うmatsuri technologiesの吉田圭汰社長は、国内最大規模となる4000ユニット超の運営ノウハウを活用していると説明した。
インバウンドを中心としたターゲット層の平均滞在日数が3.9日から8日と非常に長いことを踏まえ、独自のテクノロジーを活用し、ゲストと24時間365日体制でメッセージのやり取りを行う。
JR西日本プロパティーズなど4社が協業し、訪日客のグループ需要に対応する全室4人以上宿泊可能なアパートメント型ホテル「VADE HOTEL SHIBUYA」を、渋谷・円山町に開業した。(黃信維撮影) 例えば、クロアチアからの旅行客に周辺の商店街にある唐揚げ店を案内するなど、ローカルな魅力とゲストを直接結び付け、渋谷を第二の故郷と感じてもらう体験を創出する。
また、業務の大部分をテクノロジーで代替することで、現場スタッフが顧客対応に集中できる環境を整備している。
さらに、規模の経済を生かすことで、物価高の中にあってもリネン類のコストを高級ホテルの業者より安い1部屋1000円弱に抑えることに成功している。
JR西日本プロパティーズなど4社が協業し、訪日客のグループ需要に対応する全室4人以上宿泊可能なアパートメント型ホテル「VADE HOTEL SHIBUYA」を、渋谷・円山町に開業した。(黃信維撮影)
1階に「CHICAMA」2号店 ハラールやヴィーガンにも対応 1階には、株式会社マザーズが手掛けるオールデイダイニング「CHICAMA」が、二子玉川に次ぐ2号店として出店した。
面積は182.9平方メートルで、テラス席を含む70席を設ける。
朝7時からの朝食タイムには、イタリアから直送された薪窯で焼き上げるフォカッチャや熊本産の手作りチーズ、卵料理のプレートなどを提供し、ハラールやヴィーガンにも対応する。
JR西日本プロパティーズなど4社が協業し、訪日客のグループ需要に対応する全室4人以上宿泊可能なアパートメント型ホテル「VADE HOTEL SHIBUYA」を、渋谷・円山町に開業した。(黃信維撮影) 11時から23時までの通常営業では、薪窯のピザやジョスパーオーブンによる炭火焼の肉料理などを展開する。
夜の渋谷は公道カートなどで喧騒を伴うが、ホテル内には静かな時間が流れており、宿泊客と地域住民が交流できるコミュニティの拠点を目指す。
JR西日本プロパティーズなど4社が協業し、訪日客のグループ需要に対応する全室4人以上宿泊可能なアパートメント型ホテル「VADE HOTEL SHIBUYA」を、渋谷・円山町に開業した。(黃信維撮影)
全室にキッチンや調理器具 長期滞在にも対応 内覧会で公開された客室は、日本の生活様式に合わせ、靴を脱いで上がる土足禁止の仕様となっている。
客室タイプには、小上がりのベッドスペースを配した4人用の「SHIBUYA QUAD(A3タイプ・約34.6平方メートル)」や、各人のペースを保てる「SHIBUYA SPLIT QUAD(B1タイプ・約33.1平方メートル)」、シングルベッドとソファベッドで構成される少人数向けの「SHIBUYA TRIPLE + SOFA(A6タイプ・約34.2平方メートル)」がある。
JR西日本プロパティーズなど4社が協業し、訪日客のグループ需要に対応する全室4人以上宿泊可能なアパートメント型ホテル「VADE HOTEL SHIBUYA」を、渋谷・円山町に開業した。(黃信維撮影) さらに、円形ダイニングとバンクベッドを備えた「SHIBUYA BUNK(C2タイプ・約43.8平方メートル)」や、大人数で食卓を囲める6人用の「SHIBUYA BUNK COMFORT PLUS(D1タイプ・約46.4平方メートル)」、約37.2平方メートルの「D2タイプ」などもそろう。
全室にIHキッチン、調理器具、食器類が完備されており、長期滞在者が自宅のようにくつろげる工夫が細部にまで施されている。