台湾でロピアはなぜ人気? 統一超商が約20.5億台湾ドル出資、全面買収しない理由

2026-10-03 18:11
日系スーパー「ロピア」は、精肉や惣菜を事業の柱とし、多くの台湾消費者から支持を集めている。(LOPIA Taiwan 台湾ロピア公式Facebookより)
日系スーパー「ロピア」は、精肉や惣菜を事業の柱とし、多くの台湾消費者から支持を集めている。(LOPIA Taiwan 台湾ロピア公式Facebookより)

日本発のスーパーマーケットチェーン「ロピア(LOPIA)」は、2023年に台湾へ進出して以降、複数の店舗を展開してきた。進出当初は客足が伸び悩む時期もあったが、その後は高いコストパフォーマンスや豊富な品ぞろえ、出店戦略を武器に台湾市場で急速に知名度を高め、現在では人気の高い百貨店・商業施設内スーパーへと成長している。

利便性を強みとする全聯福利中心(PXマート)や、大容量販売と会員制を軸とするコストコ(Costco)が存在する中、ロピアは「ロープライス・ユートピア(Low Price Utopia)」を理念に掲げ、両者の間にある市場の空白を捉えた。

品質と価格の両方を重視する消費者のニーズに応えるだけでなく、品ぞろえから商品陳列、店舗デザインに至るまで、日本のスーパーで買い物をする感覚を可能な限り再現し、台湾消費者の日系小売に対する嗜好を的確に捉えている。

日本小売業の「新たな3強」はいかに台頭したのか

近年、日本の小売業界では新たな勢力再編が進んでいる。かつての大型総合スーパーや百貨店を中心とした成長モデルが徐々に鈍化する一方、価格に敏感な消費者のニーズを捉え、商品で差別化を図る新たな小売企業が台頭してきた。

中でもロピアがこうした「新たな3強」の一角として語られる理由は、単に価格が安いからではない。スーパーマーケットの経営のあり方そのものを見直し、「何でも売る」のではなく、経営資源を「食」に集中させることで、食品分野でより明確な差別化を図っている。

その結果、ロピアは日常的に立ち寄るだけのスーパーではなく、消費者が「わざわざ」足を運ぶ目的地となっている。

1. 日用雑貨は扱わず、「食」に集中

ロピアの中核戦略は、一般的なスーパーで扱われる日用雑貨を避け、経営の軸足を食品に集中させることだ。

精肉店を前身とする同社は、精肉をビジネスモデルの中心に据え、高品質かつ比較的低価格な肉類で価格競争力を確立し、そこから青果、鮮魚、調味料、惣菜などの食品販売にもつなげている。

この「食に集中する」戦略によって、食品分野に経営資源を集中的に投入できるだけでなく、明確なブランドイメージを形成し、特定の消費シーンで選ばれる存在となっている。

2. 肉のさまざまな部位を商品化

ロピアが価格と品質のバランスを実現している背景には、精肉の調達・加工能力がある。

食肉のサプライチェーンを幅広く把握しているため、人気部位だけでなく、さまざまな部位を調達し、適切に加工することで、原料全体の利用率を高めている。

例えば、部位に応じて焼肉用、ステーキ用、ひき肉、鍋物用などの商品に加工するほか、さらに弁当、揚げ物、惣菜などにも展開できる。

これにより、単にロスを減らすだけでなく、加工能力そのものを商品競争力につなげている。 (関連記事: 台湾「家樂福(カルフール)」の名が消滅へ、創業地・高雄は再開発で摩天楼に 日本撤退の過去と重なる歴史の転換点 | 関連記事をもっと読む )

消費者にとっては、選択肢が多く、ボリュームがあり、価格にも魅力がある。一方、企業側にとっては原料の回転効率を高め、利益を確保しやすくなる。

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