フランス史上最短命の首相、27日で辞任 マクロン政権が再び崩壊危機に

2025-10-08 11:51
フランス大統領マクロン氏。(写真/AP通信提供)
フランス大統領マクロン氏。(写真/AP通信提供)
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フランス第五共和制の政治劇は、2025年10月6日、その歴史上最も奇妙な一日を刻んだ。39歳にして、マクロン大統領の忠実な側近と見なされていた首相セバスティアン・ルクルヌ氏が、就任後わずか27日で辞表を提出するという劇的な出来事が発生。さらに驚くべきは、彼の辞職が新しい内閣名簿の発表からわずか14時間後であったこと。この政治版「フラッシュモブ」とも言える行動は、彼をフランス現代史上「最短命の首相」とし、マクロン政権を2024年の国会選挙の敗退以降、最悪の危機へと追い込んだ。

フランス『ル・モンド』は、この政治的嵐の核心には、信頼、権力、裏切りに関する古典的なドラマがあると指摘している。マクロン政府の運営は一種のカードで作られた高い塔のように脆弱であり、それを打ち砕いた最後の一撃は、「傲慢」と「旧態依然」と評された内閣名簿であった。10月5日の夜にルクルヌ氏が18名の内閣名簿を熱心に発表した際には、彼自身もその名簿が盟友の怒りの引き金になるとは思っていなかったかもしれない。その中でも最も物議を醸したのが、前財務相ブリュノ・ル・メール氏の国防相への再任である。

2024年9月からマクロン大統領と連立を組んでいた右派の盟友——共和党にとって、この任命は明らかに一撃であった。ル・メール氏はマクロン大統領の経済政策の象徴とされており、その彼が戻ることは、マクロンが全く「路線変更」を考えていないことを意味していた。共和党のリーダー、ブリュノ・ルテイヨー氏はSNSのプラットフォームX上で、「この政府の構成は、約束された『断絶』を全く反映していない!」と辛辣に指摘した。

この投稿は衝撃的な効果をもたらし、政権内部での波紋を呼んだ。二つの小さな中道政党——民主独立連合と急進党——が次々に連立政府からの離脱を発表する事態となった。ルクルヌ氏が築こうとした「安定した連立政権」は、新内閣のメンバーがまだ職務に馴染む前に瓦解した。

ルクルヌ氏自身は辞任後の短い演説の中で、これらの「党派的私欲」を強く批判し、「総理大臣としての任務を続行する条件はもはや存在しない」と明言した。この期待されていた総理は、在職期間が一か月にも満たず、国会で施政方針演説を行う機会さえ得られなかった。この内閣は成立から数時間しか経たないうちに、日常事務を処理するだけの「看守政府」に転落するという、第五共和制のもう一つの恥ずべき記録を作った。 (関連記事: フランスが「パレスチナは国家」と認める意向を表明! マクロン大統領、中東和平は可能と強調。国連総会で正式発表へ 関連記事をもっと読む

この混乱の象徴的な一幕は、10月6日の朝、防衛省の外で発生。数十人の記者が9時45分にル・メール氏の引継ぎ儀式を取材するために招待されていたが、9時46分には首相の辞任速報が各記者の携帯電話に届いた。短い混乱と騒動の後、警備担当の憲兵は記者たちに別れを告げ、通常は開いているはずの重厚な扉の向こうへと消えていった。象徴的な交接儀式は、最後には茶番劇と化した。

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