高市早苗氏が自民新総裁 「東京の鉄の女」に国際注視 東アジアへの影響は?

2025-10-07 12:10
高市早苗氏(写真/AP通信提供)
高市早苗氏(写真/AP通信提供)
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2025年10月4日に行われた自民党総裁選挙で、64歳の前経済安全保障担当大臣・高市早苗氏が、決選投票の末に有力視されていた穏健派の小泉進次郎氏を破り、第28代自民党総裁に選出された。自民党が国会で多数を占めていることから、高市氏は10月15日の国会で行われる首相指名選挙において、日本憲政史上初の女性首相に就任することが確実視されている。

ドイツの週刊誌『デア・シュピーゲル(Der Spiegel)』から「東京の鉄の女」と称された高市氏は、明確な保守・強硬姿勢とナショナリズム的色彩で国内外の注目を集めている。その台頭は、日本政治の右傾化を象徴する動きであり、複雑化する東アジアの地政学的情勢に新たな変数を投げかけるものである。

ヘビーメタルドラマーから政治家へ:非典型的な「レッドローズ」

高市早苗氏の政治経歴は、日本の典型的な政治名門とは一線を画している。韓国紙『朝鮮日報』によると、1961年に奈良県で生まれた高市氏の父は会社員、母は警察官であった。共働き家庭がまだ珍しかった時代、母親は娘に「とげのある赤いバラになれ」と教えたという。華やかさを持ちながらも、不正や不条理に立ち向かう強さを兼ね備えた女性であれという意味であった。

若き日の高市氏は、現在の厳格な政治家像からは想像しにくい自由奔放な一面を持っていた。ヘヴィメタルバンドのドラマーとして活動し、ハードロックを愛好。さらに川崎の大型バイク「Z400GP」を愛用し、一人で日本一周を果たしたという。神戸大学卒業後、「政治家の登竜門」と呼ばれる松下政経塾第5期に入塾したが、当初は経営を学ぶつもりで、政治家を志していたわけではなかった。

転機となったのは24歳の時、アメリカで連邦議会議員のアシスタントを務めた経験である。政治の現場に触れたことで情熱に火がつき、帰国後はテレビキャスターとして全国的な知名度を得た。しかし政治の道は平坦ではなく、1992年に自民党の公認争いで敗れ、無所属での出馬も落選した。翌1993年、ようやく無所属で衆議院議員に初当選し、後に深い関係を築く安倍晋三氏と同じ「政治1年生」となった。

その後、自由党や新進党を経て1996年に自民党へ入党し、安倍晋三氏が率いた「清和政策研究会」(いわゆる安倍派)に所属。ここから彼女の保守派としての立場が明確に定まり、安倍路線を受け継ぐ政治家としての道を歩み始めたのである。

安倍晋三の忠実な弟子、「日本優先」を掲げる外交タカ派

高市早苗氏の政治人生は、故・安倍晋三元首相との深い結びつきの上に築かれている。2006年、安倍氏が初めて組閣した際、高市氏は内閣府特命担当大臣として初入閣を果たした。その後、安倍氏の第二次政権下では総務大臣や自民党政務調査会長などの要職を歴任し、「安倍路線」の最も忠実な継承者の一人として存在感を高めた。

『ウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)』は、高市氏が「師」と仰ぐ安倍氏と同様、日米同盟の強固な支持者であると指摘している。しかし一方で、彼女が掲げる「ジャパン・ファースト(Japan First)」の外交方針や、日米間の関税交渉における不公平を批判する姿勢は、ドナルド・トランプ前米大統領の外交スタイルと高い親和性を持つとも分析されている。

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