中国、台湾へのAPEC招待状をメール送付 「慣例と異なる」台湾側が抗議、平等待遇求める
3日午前、立法院で取材に応じる卓栄泰行政院長。(陳品佑撮影)
中国の深圳で11月中旬に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議について、議長国の中国が非公式の方法で台湾に招待状を送付したことが明らかになった。これに対し、台湾の卓栄泰行政院長(首相に相当)は3日、中国に対し、国際機関および国際会議の慣例に従い、全加盟国・地域に平等な待遇を与えるよう求めると表明した。
深圳で開催されるAPEC首脳会議について、台湾総統府は現時点で派遣する代表者を発表していない。一部メディアは匿名の当局者の話として、中国側から非公式な書簡が台湾に送付されたが、差別的待遇との疑念があるため、台湾側が非公式に中国側へ抗議したと報じた。林佳龍外交部長(外相)は2日、メディアの取材に対し、今回、中国側は直接手渡しで招待状を交付するのではなく、電子メールを通じて外交部に連絡してきたと説明。なお、台湾の呼称については従来通り「Chinese Taipei(チャイニーズ・タイペイ)」が使用されたという。林氏は、中国側が規定や慣例に違反した場合、台湾側は直ちに抗議の意を表明すると強調した。
「台湾の重要性を世界に認識してほしい」
卓氏は3日午前、立法院(国会)での取材に応じ、中国からのAPEC招待が非公式な書簡にとどまった場合でも、政府は代表者を派遣するのかと問われ、「現在の国際的な経済貿易や科学技術の各分野において台湾が果たす重要な役割を国際社会に認識してもらいたいと考えている」と述べた。台湾が正式かつ意味のある形で重要な国際経済・貿易会議に参加することは、台湾経済の発展に寄与するだけでなく、国際協力を促進する上でも極めて重要だと指摘した。
野党議員「陳水扁氏に倣い欠席を」
一方、最大野党・国民党の頼士葆立法委員(国会議員)はその後、立法院での質疑で、APECの招待状が専任の使者によって届けられるのはあくまで慣例であり、明文化された規定ではないと指摘。中国が2001年に議長国を務めた際はファックスで招待状を送付したのに対し、2014年に議長国を務めた際は特使を派遣しており、その違いは中台関係の良し悪しに起因していると述べた。「林外交部長がこの問題を取り上げることには、『抗中保台(中国に対抗し、台湾を守る)』を悪意を持って煽る狙いがあると感じる」と批判した。さらに「過去には参加しなかった事例もある。結局のところ、散々議論を巻き起こしたあげくに参加するのではないか。平等と尊厳を強調するが、これのどこに平等や尊厳があるのか」と疑問を呈した。
頼氏はさらに踏み込み、「それならば我々は参加すべきではない。気骨を見せ、2001年の上海開催時と同様に出席を見合わせるべきだ」と主張。「平等だの尊厳だのともっともらしい言葉を並べる必要はない。すでに不平等であり、尊厳もないではないか。他の加盟国にはすべて専任の使者が届けに行くのに、台湾、すなわち『チャイニーズ・タイペイ』に対してのみファックス(電子メール)で済ませるのだ。当時の陳水扁総統が2001年に見せた、『絶対に行かない』という姿勢を学ぶべきだ」と声を荒げた。
これに対し、卓氏は、台湾側が国際社会との接触を図る上で「抗中保台」の意図は全くないと明確に否定した。しかし、台湾の民主的な選挙で選ばれた元首に対し、中国側が人によって異なる待遇を取るのであれば、それは中国による台湾社会の分断工作だと指摘。国内は団結して台湾の元首および国家政策を支持すべきであり、現在の国家政策はあらゆる国際機関や会議に可能な限り積極的に参加することを目指していると説明した。卓氏は、APECへの参加が台湾の国益に及ぼす影響を評価した結果、台湾自身の経済協力にとどまらず、国際協力の創出にも寄与するとし、「こうした利益は極めて重要だ」と改めて強調した。
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