TSMC、米テキサス州シャーマンを新拠点候補に サムスンとの人材・インフラ競争激化も
TSMCがテキサス州に新生産拠点を設置すると報じられる中、韓国メディアはグレイソン郡シャーマンが候補地だと伝えた。(資料写真/撮影・柯承恵)
半導体受託製造(ファウンドリー)大手の台湾積体電路製造(TSMC)は米アリゾナ州での工場建設に加え、テキサス州を新たな生産拠点として検討しているとの見方が市場で広がっている。TSMCの魏哲家・董事長(会長)も10月の業績説明会で、テキサス州での事業機会を評価するためチームを派遣したと明らかにした。一方、韓国メディア『BusinessKorea』の最新報道によると、TSMCはテキサス州シャーマン(Sherman)を工場建設の有力候補地として絞り込んだと伝えられている。同地は韓国サムスン電子のテキサス州テイラー(Taylor)工場にも近く、両社間で人材やインフラを巡る争奪戦が一段と激化する見通しだ。
報道によると、地元メディアや業界関係者の話として、TSMCはテキサス州グレイソン(Grayson)郡シャーマンを、米国における第2の大型生産拠点とするべく本格的な評価を進めているとされる。
また、テキサス州政府の経済発展に関する文書には、社名非公開の企業が450億米ドルを投資して州内に半導体工場2棟を建設し、5000人を雇用するとの計画が記されているという。これら工場は2029年末までの量産開始を予定しているが、文書では企業名が伏せられており、TSMCの工場建設との関連を正式に裏付けるものではない。
TSMCがテキサス州を選択する理由
報道では、TSMCがシャーマンへの進出を検討する理由として、同地域に台湾の半導体サプライチェーンが形成されている点を挙げた。台湾最大のシリコンウエハー製造メーカー、環球晶円(グローバルウェーハズ)が既にシャーマンに大規模な生産拠点を設けているほか、台湾の半導体テスティング(検査)大手、京元電子(KYEC)も約13億米ドルを投じ、近隣のフォートワース(Fort Worth)に米国初となる工場を建設中で、米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)のAIチップのテストを担う予定だ。
報道は、TSMCがテキサス州に進出した場合、半導体の生産からテストまでを網羅するこの「台湾サプライチェーン」の恩恵を受けることができ、物流の改善と生産効率の向上につながると分析している。
300キロ近隣にサムスンが工場建設中
報道によると、サムスンが工場を建設中のテイラー市はシャーマンから約300キロメートル離れており、車で3時間ほどの距離にある。両社がテキサス州で同時期に生産能力を拡大することに伴い、エンジニアや建設作業員など人材の獲得競争がさらに激化することが予想される。加えて、工業用電力や水資源の確保においてもより大きな争奪戦に直面する可能性がある。これらは長きにわたりテキサス州のインフラ課題とされてきた。さらに、テキサス州政府の税制優遇措置や補助金などの資源を巡る競争も生じるとみられる。
報道では、サムスンが現在、テキサス州のテイラー第1工場で主要設備の搬入を進めており、2027年に量産を開始する見通しで、米電気自動車大手、テスラ(Tesla)向けに先端チップを生産する計画だとしている。また、サムスンは今年末までにテイラー第2工場の建設に着手し、2030年までに2ナノメートル(nm)プロセスの製造能力を確立することを目指しているとされる。
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