1886年(明治19年)創業の老舗うなぎ店「うらわのうなぎ 萬店(まんだな)」が、2026年10月に創業140周年を迎えた。これを記念し、文化の日にあたる11月3日、恒例企画となった第6回「創業祭 鰻重食べ放題」が開催された。
今年は昨年の約1万6200人を大幅に上回る約9万5000人もの応募が殺到し、倍率は実に約950倍を記録。この激戦を突破した幸運な親子連れらが集まり、45分間の制限時間の中で伝統の味を心ゆくまで堪能した。

老舗うなぎ店の創業祭、親子連れで賑わう
午前中に開かれた第一部「親子で楽しむ萬店のうなぎ」では、シティFMさいたま「レッズウェーブ」パーソナリティーの徳重美穂氏が司会進行を務めた。萬店の金子剛社長は挨拶で、長年店を支えてきた常連客への感謝とともに、新しく地域に移り住んだ人々に江戸時代から続く「浦和のうなぎ」の伝統食文化を知ってもらいたいという企画趣旨を説明。
晴れの特異日である文化の日の好天に触れつつ、「体を壊さない程度にお腹いっぱい召し上がってほしい」と笑顔で語った。会場には日本大学芸術学部の学生が公式記録の撮影に入るなど、活気あふれる雰囲気の中でイベントが幕を開けた。

蒲焼に白焼きも、老舗の鰻重を食べ比べ
今回の食べ放題ルールは制限時間45分で、終了5分前となる40分時点でオーダーストップとなる形式。提供されたのは、通常1杯5600円で提供されている同店の高級メニュー「松重」で、たくさんの鰻を味わってもらえるようご飯を少なめにする特別な配慮が施された。
参加者にはまず1杯目として看板の「たれの蒲焼」が運ばれ、2杯目には通常メニューには存在しない特別仕様の「白焼き重」が登場。
大人はわさび醤油や塩で鰻本来の香りと旨味を味わい、子どもには続けて食べやすい蒲焼が提供された。3杯目以降は再び蒲焼重となり、空になったお重を前に出して手を挙げ、スタッフが完食を確認した上でおかわりが配膳された。

老舗が選んだ「100点の鰻」のこだわり
食事の途中には、萬店に毎日活鰻を届けている東京・足立区千住の鰻問屋・松本氏が登壇し、この日使用された静岡県吉田町産の鰻について解説を行った。
吉田町は100年以上の養殖の歴史を誇り、大井川の地下水で育てられていることや、出荷前に地下水にさらす「浸場(つけば)」によって泥臭さが抜け、身が引き締まる特徴を伝えた。
松本氏は、特定のブランド名にとらわれず、プロの確かな目利きで身の厚みや脂ののり、皮の柔らかさを見極めた「100点の鰻」であることや、出荷前の残留検査など徹底した安全管理が行われている点を強調した。
会場のテーブルには和歌山県産最高級山椒や自家製ぬか漬けといった薬味が用意されたほか、見沼田んぼ産の生姜を使った「発酵ジンジャーエール」を手掛ける周東孝一氏がちょんまげ姿で登場し、参加者に試飲が振る舞われた。
子どもたちが紙で作った手作りのメガホンを手に親を応援する微笑ましい場面も見られ、終始和やかな熱気に包まれた。

食べ放題の王者は4杯完食、お土産のサプライズも
太鼓の合図とともに終了した集計では、子どもたちも2〜3杯を食べる健闘を見せた中、大人部門では群馬県桐生市や埼玉県行田市などから訪れた参加者のうち2名が最高記録となる4杯(約1.4キログラム)を完食して優勝。
参加者からは皮目の柔らかさや白焼きの味わい深さを称賛する声が上がった。さらに終了直前には、店側から大人参加者全員へお土産として新しい鰻重弁当が追加でプレゼントされるサプライズが発表され、大きな拍手と歓声とともに創業祭の幕を閉じた。

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