中国統治下の台湾は「香港より厳しい統治」に? 軍事専門ページが「一国二制度・台湾案」を分析
中国の学術界が「12項目の台湾統治プラン」を発表し、各方面から注目を集めている。(写真/陳昱凱撮影)
台湾で頼清徳総統率いる政権が発足して以降、中台間で緊張が高まる中、中国は先ごろ、専門家を招集し、台湾への一国二制度導入プランをテーマとするシンポジウムを開催。「台湾軍の解散」を含む台湾統治プランに関する12項目の合意事項を取りまとめた。これに対し、軍事を専門とするFacebookページ「世界特種部隊與軍武資料庫」は18日、中国共産党による台湾統治の最終的な想定には、実質的な意味での「自治」が存在する余地がなく、香港よりも悲惨な状況となる恐れがあると分析した。同Facebookページは、中国による台湾統治が現実となった際には「準軍事化統制」が敷かれ、午後9時には台北の街から人影が消えると指摘。コンビニエンスストアは夜間外出禁止令が有効となる前にシャッターを下ろし、市民は帰宅時に一人一人、武装警察による通行証の確認が行われる。SNSへのアクセスは遮断され、テレビのニュースは公営チャンネルのみになるといった予想図を示した。
「世界特種部隊與軍武資料庫」は、中国の学術界がまとめた「一国二制度・台湾プラン」に関する12項目の合意事項を基に、台湾海峡が「非平和的」に統一された場合、台湾社会は完全に武装解除され、3年から5年にわたる「準軍事統治」が実施されると指摘。これは、「人民解放軍は原則として駐屯地から出ない」とされ、3万3000人規模の警察部隊が留保された香港の状況よりもより極端な措置との認識を示した。さらに、政治的粛清や思想教育の全面的な再構築も進められるほか、中国が台湾の教育および司法制度に強制的に介入、反共産主義や植民地化教育を排除する教科書の全面改訂なども実施されるとみられる。また、国家主権や安全保障にかかわる対外的な事務の終審権は中央政府に帰属し、「台湾独立分子」は刑事責任を追及されるとしている。
台湾軍の維持は不可、選挙制度の行方は
香港の初期には高度な自治の余地や過渡期が存在したことと比較し、今回、中国は台湾に実質的な政治的猶予期間を与える意図がないことは明らかだと同FBページは指摘している。今回示されたプランでは、台湾の行政長官や立法委員(国会議員)の直接選挙を維持することを許可すると主張する一方で、「愛国者による台湾統治」のメカニズムを確立するよう求めている。さらに、台湾の行政区画の再編も計画されており、県・市レベルのみを維持するか、6大地区に再編することで、台湾社会の解体と改造を図る可能性がある。
(関連記事:
台湾への「一国二制度」案、中国の専門家らが12項目 解放軍駐留、非平和統一なら3~5年の「準軍事統治」
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また指標となる「軍事権の処遇」において、かつて中国の元最高指導者・鄧小平氏、元国家主席・江沢民氏から前国家主席・胡錦涛氏に至るまで、台湾を特別行政区として高度な自治権を認め、軍隊の維持を可能とする見解を示してきた中国の歴代指導者による中台統一戦略に関する承諾と比較すると、今回のプランは単なる「観測気球」の範疇を大きく踏み超えている。
中国が「学術界」を通じて台湾統治プランを発表した理由
同ページは、2022年に中国が発表した白書『台湾問題と新時代の中国統一事業』の中で、すでに「軍隊や行政人員を台湾に派遣しない」という表現が削除されていたと指摘。今回の案では「台湾軍の解散」「人民解放軍の台湾駐留」「3年から5年の準軍事統治」が直接明記されており、中国側がかつて台湾の抵抗意志を削ぐために設計した緩やかな自治という建前を放棄し、徹底した軍事占領と社会の再構築へと方針を転換したことを示すとした。また台湾統治プランが「学術界の合意事項」の形で発信されたことについて、戦略上、以下の3つの大きな目的があると同ページは分析している。
- 「アンカリング効果」を利用した交渉カードの獲得
- 台湾および国際社会の最低ライン確認
- 「非平和的統一」後の統治に向けた理論的準備
「妥協と引き換えの平和」の選択肢は消失か
同ページは総括として、台湾の視点から見れば、「12項目の合意事項」が発する政治的シグナルは非常に明確であり、「武装解除」が示されたことは、台湾の防衛戦にとって「妥協と引き換えに平和を守る」という政治的シナリオがすでに現実的な基盤を失っていることを証明していると論じた。台湾の防衛は、非対称戦力の強化、重要インフラのレジリエンス(強靱性)向上、そしてインド太平洋地域の同盟国との情報面、軍事面での連携深化に継続して焦点を当てる必要があると強調。敵側にとって受け入れ不可能な抑止力を確実に構築することでのみ、最大限の圧力をかけようとする中国側の戦略的企図を実質的に防ぐことができると結んだ。
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