【独占インタビュー】AIブームで台湾がMSCI新興国指数の首位に それでも残る「新興国市場」の2つの壁

国立中山大学国際金融研究学院の講座教授兼副院長を務める張綺真氏は9月14日、台湾メディア『風傳媒(ストームメディア)』の英語ニュースサイト「The Storm Media」のインタビューに応じ、台湾の資本市場改革を進める前に、十分な調査・検証を行う必要があるとの考えを示した。(蔡親傑撮影)
国立中山大学国際金融研究学院の講座教授兼副院長を務める張綺真氏は9月14日、台湾メディア『風傳媒(ストームメディア)』の英語ニュースサイト「The Storm Media」のインタビューに応じ、台湾の資本市場改革を進める前に、十分な調査・検証を行う必要があるとの考えを示した。(蔡親傑撮影)

台湾はMSCI新興国市場指数で26.85%のウェートを占め、同指数で最大の市場となった。しかし、ウォール街のポートフォリオ・マネージャーから学界に転じた専門家は、これまで誰も手がけてこなかった調査研究が行われない限り、台湾の資本市場は次の段階に進めないと指摘する。

国立中山大学国際金融研究学院の講座教授兼副院長を務める張綺真氏は9月14日、台北で台湾メディア『風傳媒(ストームメディア)』の英語ニュースサイト「The Storm Media」の単独インタビューに応じ、指数ウェートと市場構造は別の問題であり、台湾では両者が混同されていると指摘した。

張氏は学界に転じる前、20年以上にわたり資本市場で経験を積んだ。モルガン・スタンレーではシニア・ポートフォリオ・マネージャー兼オルタナティブ投資責任者を務め、オッペンハイマー・ファンズの取締役、カーライル・グループ(Carlyle)のシード投資家も歴任した。

「本当に問うべきなのは、ウェートがどれほど高いかではありません。ウェート以外に、どのような構造的な問題が残っているのかです」

TSMCとAIが台湾を新興国市場の首位に押し上げ

​台湾証券取引所は8月、MSCIのデータを引用し、台湾がMSCI新興国市場指数で最も高いウェートを占める市場になったと発表した。MSCIの第3四半期の見直しにより、台湾のウェートは26.85%に上昇し、8月末の取引終了後に反映された。1年前にはまだ2割に満たなかった。

転機は今年初めに訪れた。ブルームバーグが集計したデータによると、1月末時点で台湾のウェートは21.06%となり、中国の20.93%を上回った。台湾が中国を上回るのは2007年半ば以来初めてだった。

ウェートを支えているのは、一部の企業に限られている。台湾積体電路製造(TSMC)だけで同指数の15.46%を占め、最大の構成銘柄となっている。メディアテック、台達電子、鴻海精密工業もトップ10に入っている。

張氏は、新興国市場を対象とする運用における外国機関投資家の台湾への配分は約27%で、公表されている指数ウェートとおおむね一致するとみている。

一方、こうした集中には両面性がある。グローバルなポートフォリオに占める台湾の比重が高まるほど、AIサイクルが反転した場合の影響も大きくなると張氏は指摘する。

AI題材推升台股,台灣在MSCI新興市場指數的權重升到26.85%,成為指數第一大市場。(資料照,中央社)
AI関連銘柄への期待を背景に台湾株が上昇し、台湾のMSCI新興国市場指数におけるウェートは26.85%まで上昇。同指数で最大の市場となった。(中央社)


台湾を新興国市場にとどめる2つの要因

MSCIの市場分類は、数兆ドル規模のパッシブ資金の行き先を左右する。

張氏は、台湾が新興国市場に分類され続けている要因として、為替管理と、外国人投資家の市場参入・退出の双方を遅らせる業務上のルールの2つを挙げた。 (関連記事: 【独占インタビュー】「北京は何をしても不満を示す」 英国元国防相、台湾防衛は「いくら急いでも急ぎすぎることはない」 関連記事をもっと読む

「台湾には、完全な自由市場のルールとはいえないものが数多くあります。株式市場には1日当たり上下10%の値幅制限があります。また、外国人投資家には一連の業務上の規定があり、市場への参入や退出が相対的に難しくなっています」

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