ナイキの「あのロゴ」はなぜ生まれた? 創業者は最初気に入らず、デザイン料はわずか35ドル

シンプルな曲線のマークを見るだけで、「NIKE」の文字がなくても、多くの人がナイキのロゴだとすぐに認識できる。(Unsplashより)
シンプルな曲線のマークを見るだけで、「NIKE」の文字がなくても、多くの人がナイキのロゴだとすぐに認識できる。(Unsplashより)

ロゴの横に「NIKE」の文字がなくても、このシンプルな曲線のマークを見ただけで、どのブランドかを瞬時に言い当てられる人は多い。「スウッシュ(Swoosh)」と呼ばれるこのロゴは、今や世界で最も認知度の高いブランドロゴの一つとなっている。

しかし、ナイキとともに半世紀以上を歩んできたこの定番デザインが、実は有名広告代理店の手によるものではなく、共同創業者フィル・ナイト(Phil Knight)自身も初めて見たときにはそれほど気に入っていなかったというのは、意外に感じられるかもしれない。

この一見シンプルなマークを描いたのは一体誰なのか。なぜ現在のような形になったのか。その裏側にあるストーリーは、ロゴそのもの以上に興味深い。

ナイキのロゴはなぜあの形? 最初の条件は「速く見えること」

現在、ナイキを象徴する曲線のロゴは、正式には「スウッシュ(Swoosh)」と呼ばれている。

1971年、フィル・ナイトとビル・バウワーマンが経営していた会社は、まだブルーリボン・スポーツ(Blue Ribbon Sports、BRS)という社名で、主に日本製のランニングシューズを販売していた。

しかし、ナイトはすでに自社ブランドのシューズを発売する準備を進めており、靴の側面に入れる新たなブランドマークが必要になっていた。

ナイキの公式アーカイブによると、ナイトはポートランド州立大学(Portland State University)でデザインを専攻していた学生、キャロリン・デイヴィッドソン(Carolyn Davidson)に声をかけ、新しい靴の側面に入れる図案のデザインを依頼した。

ナイトが示した条件は非常にシンプルだった。

「このロゴにはスピード感がなければならない」

ポートランド州立大学がこの経緯を振り返った記事によると、デイヴィッドソンは、ナイトがアディダスの3本線を高く評価していることを知っていた。そのため、新しいデザインにはスピード感を表現するだけでなく、他のスポーツブランドと明確に差別化する必要もあった。

デイヴィッドソンはさまざまな図案を薄紙に描き、実際に靴の側面に当てながら、配置した際の見え方を確認していった。

最終的に彼女は約6種類のデザイン案を提示し、その中から、片側が太く、もう一方に向かって細くなりながら上向きに伸びる曲線が選ばれた。これが後に世界中で知られることになるスウッシュである。

ナイキの公式資料によると、デイヴィッドソンはこのデザインに「躍動感」があると考えていたという。

スウッシュは一見するとチェックマークのようにも見えるが、当初の狙いは「チェックマークを描くこと」ではなかった。前方へ伸びる非対称の曲線によって、静止した図案にもかかわらず、あたかも高速で動いているような印象を与えることにあった。 (関連記事: ナイキ、株価急落と6期連続のEPS減少 専門家が警鐘を鳴らす「4つの深刻な課題」と成長の限界 関連記事をもっと読む

創業者は最初あまり気に入らず 最後は「時間切れ」で採用へ

さらに興味深いのは、今日これほど定番として知られるこのロゴが、初めて提案された際、ナイキのチームからすぐに高い評価を得たわけではなかったことだ。

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