米AI業界の有力者らが相次いで、急速に発展する人工知能(AI)の潜在的なリスクに警鐘を鳴らし、政府に規制強化を求めている。大量の電力を消費するデータセンターの建設に対する市民の反発も強まる中、ドナルド・トランプ米大統領はAIに対する規制強化を公然と拒否し、安全性をめぐる懸念を「でっち上げ」と一蹴した。トランプ氏は、AIへの規制強化は関連企業を経営破綻に追い込み、中国に競争上の優位性を明け渡すことにつながると主張している。
トランプ氏は14日、自身のSNS「Truth Social」への投稿で、「AIに必要な唯一の統制、あるいは『ガードレール』は、強く賢い(高IQの)大統領だけだ。米国にはそれが十分すぎるほど備わっている」と強調。さらに、「現在、AIとデータセンターをめぐって悪質な陰謀が進行しており、それを喜んでいるのは中国だけだ」と主張した。
相次ぐ投稿の中でトランプ氏は、テクノロジー業界の経営者らがなぜ自ら政府に規制を求めるのかと疑問を呈し、それが「自滅と破産」につながりかねないとの見方を示した。
また、AIの安全リスクをめぐる懸念を、自身の第1次政権時代に弾劾手続きにつながった一連の疑惑や、気候変動をめぐる不安になぞらえた。AIが人類の存続を脅かす可能性があると警告する人々に対しては、「彼らが忠誠を誓っている相手は、米国の最善の利益をまったく考えていないことに、やがて気づくだろう」と述べた。
データセンター建設への反発、中間選挙の「足かせ」となる恐れ
AIとデータセンターを強く支持するトランプ氏の立場と、米国内の世論との間には隔たりもみられる。
米調査会社ギャラップが今年3月に実施した世論調査によると、回答者の48%が、自分の住む地域でAIデータセンターを建設することに「強く反対」と回答した。こうした反対は民主党支持者に限らず、共和党支持者でも39%が「強く反対」と答えている。
11月の中間選挙が近づく中、データセンター建設をめぐる反発は、民主・共和両党の候補者にとって次第に重い政治的負担となっている。
トランプ氏は14日、米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)のジェンスン・フアンCEOと電話で話した際にも、AIとデータセンターを国家経済に大きな恩恵をもたらす存在として全面的に擁護した。
トランプ氏は安全性をめぐる懸念について、過度に誇張されていると批判し、AIは「今後20~25年の石油」であり、その規模はインターネットをも上回るとの見方を示した。
当時、フアン氏はロサンゼルスで開かれていたテクノロジーサミットに出席しており、壇上でスマートフォンをスピーカーモードに切り替え、トランプ氏との通話を会場に流した。
フアン氏もこれまで、AI開発の加速をめぐる危機論をあおる動きについて、サイバーセキュリティ企業の商機づくりにすぎないとの見方を示している。 (関連記事: AI開発に異例の「減速論」 制御不能リスクに警鐘、アモデイ・アルトマン・マスク氏が足並み OpenAIは26年IPO見送り | 関連記事をもっと読む )
トランプ氏はフアン氏とのやり取りの中で、「ロボットが世界を乗っ取ることはない。AIが世界を支配することもない。すべてでっち上げだ」と述べ、会場からは歓声が上がった。













































