北京市全域でドローンの飛行禁止、所持・保管も違法化 処分または市外への搬出を義務付け

2026-09-15 16:05
6月26日夕方、小型機が北京市の中信ビルに衝突し、操縦士が死亡、現場で他に13人が負傷した。中信ビルは地上108階建て、高さ528メートルで、北京国貿CBDエリアに位置している。(AP通信)
6月26日夕方、小型機が北京市の中信ビルに衝突し、操縦士が死亡、現場で他に13人が負傷した。中信ビルは地上108階建て、高さ528メートルで、北京国貿CBDエリアに位置している。(AP通信)


北京市人民代表大会常務委員会は13日、ドローン管理規定の改正を公布し、今年11月15日より、北京市内の全行政区でドローンの飛行が全面的に禁止されるだけでなく、いかなる団体や個人も市内でドローンおよびその基幹部品を「所持」または「保管」することが厳格に禁じられると発表した。海外メディアの分析によれば、中国当局がこの異例の全面排除に踏み切った背景には、今年6月に発生した小型飛行機による超高層ビル「中信大厦(チャイナ・ズン)」への衝突事故が関連しているという。

半年内で2度目の規制強化

米AP通信の報道によると、北京市当局は今年3月に従来の規定を可決(5月1日施行)したばかりだった。当時すでに市内でのドローン販売を禁止し、無許可飛行を防ぐため全域を飛行管制空域に指定していたが、実名での身分登録を済ませた所有者に対しては、厳格な制限の下での機器の所持が認められていた。

しかし、北京市人民代表大会常務委員会が新たに可決した改正案は、こうした猶予を完全に排除するものとなった。新規定では、11月15日以降、北京市全域をドローン飛行管制空域とし、「特定公務」や「承認事業」を除いて飛行させることを全面的に禁止すると明記した。さらに市内全域でドローンおよびその基幹部品の「所持」と「保管」を一律に禁じ、個人・団体による市外からの持ち込みも不許可とした上で、市内にドローン倉庫、一時保管所などの保管施設を設けることも厳しく禁じている。

新法では、テロ対策、公共の安全維持、緊急救助、重大イベント、教育・研究活動、生産・製造といった特殊な任務に限り例外規定が設けられた。関係機関は安全管理体制を構築し、責任の所在を明確にした後、国家の法規に基づいてドローンによる作業を申請しなければならない。

官製メディアは「首都防衛」を強調

日本のNHKは、中国共産党北京市委員会の機関紙、北京日報が、今回の法改正の目的として「首都の安全防衛線を確実に築く」ことを強調し、当局が既存のドローン所有者に対し、速やかに機器を市外へ移すか処分するよう呼びかけていると報じた。

チャイナ・デイリー(中国日報)によれば、北京市が5月より推進してきたドローンの身分照合・登録作業は7月31日をもって終了し、従来の登録制度は11月15日の新法発効に伴い廃止される。最終期限までに市民が市内の機器を処分できるよう、当局は「公式買い取り・廃棄」「市外への無料配送」「自身での持ち出し」という3つの対応ルートを提示した。

所有者が各区政府の認定を受けた買い取り業者にドローンを売却、あるいは政府指定の施設へ引き渡して廃棄した場合、売却益に加えて、当局から1機当たり100〜3000人民元(約2300〜7万円)の補助金が別途支給される。

また、9月12日から11月14日までの間、中国郵政速達(EMS)を通じて北京以外の住所へ機器を発送する場合、照合・確認を経た上で送料無料のサービスが受けられる。自身で持ち出すことを選択した場合、市民は11月15日までに民間航空機、鉄道、道路などの公共交通機関を利用してドローンを北京市外へ搬出しなければならない。

AP通信は、中国の他地域が屋外での飛行に対して実名登録を求めるにとどまるのに対し、北京市の安全規制は以前から他の省市よりはるかに厳しく、観光客が外部からドローンを市内へ持ち込むことも以前から禁じられてきたと指摘。北京市の公安当局は、新法発効後には全面的な立ち入り検査を実施し、期限を過ぎて持ち出さない者や不法に機器を保管する者に対しては、当局によるドローンの強制没収に加え、違反した個人や企業に対し法的責任を追及すると通告している。

編集:平松靖史

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