日本の優れたものづくり企業と生活者をつなぐ展示・商談イベント「Small Giants Market」が2026年8月27日、東京都渋谷区千駄ヶ谷の「GOBLIN. 北参道店 2nd」で開催された。
本イベントは「日本からひとつでも多くの“小さな巨人”を生み出す」というミッションを掲げる「Small Giants Studio」が主催したもので、「こころ踊る食の才能と、出会う一日。」をテーマに、伝統の技や先端技術を駆使して新たな価値創造に挑む気鋭の食・飲料ブランドが一堂に会した。
酒造りの伝統と革新が生む注目商品
会場では、酒類や発酵食品、農業分野など多彩な領域から独自のこだわりを持つ企業が出展した。東京都で唯一のみりん醸造蔵である豊島屋酒造は、江戸時代に女性たちが嗜んだ滋味深い酒としての本来の味わいを呼び戻した飲むみりん糀リキュール「Me」を出品。
もち米、米こうじ、国産焼酎のみを原料とし、砂糖やおり下げ剤を使わずに仕上げた同製品は、みりんとして史上初めて世界三大酒類コンペティション(IWSC、SFWSC、ISC)のすべてで受賞を果たしている。
1603年創業で約400年の歴史を持つ茨城県の根本酒造は、蔵の再出発をかけて開発した最高峰の梅リキュール「華世(Kasei)」を披露した。
紀州南高梅を15個分(約400g)贅沢に使い、手作業によるあらごしで濃厚なとろみと重層的な味わいを実現。全国梅酒品評会での銀賞をはじめ、ISC2026で金賞、ISC2025で銅賞を獲得するなど国内外で高い評価を受けている。
科学的アプローチから酒造りに挑む「新蒸留研究所」は、製薬会社の薬剤師や技術者が持つ思想をもとに、ガスクロマトグラフィーによる香気分析を用いて香りの成分を可視化・再構築したジンやスピリッツを紹介した。
静岡県三島市に拠点を置く「Whiskey&Co.」は、富士山の伏流水を使用し日本で唯一バーボンスタイルに特化したウイスキーの原酒やクラフトジンの魅力を発信した。
食と生活文化の領域からも注目の出展が相次いだ。奈良県橿原市で1658年から酢造りを継承するミヅホは、木桶仕込みの米酢や黒酢に果実やスパイスなどを合わせたクラフトビネガードリンク「saku」を提案。森林課題の解決を目指す共創プロジェクト「QINO」は、木の循環を取り戻す新たな利活用を訴求した。
AIや環境技術で挑む新たな食のかたち
農業分野では、CULTAが手がける「SUNCULTA」が注目を集めた。AIや人工環境を活用し、ゲノム編集や遺伝子組み換えを行わずにイチゴの品種開発期間を従来の10年から2年へと大幅に短縮。
白イチゴ「YUKIMI DROPS」や収穫後も高鮮度を保つ「SAKURA DROPS」など4品種を上市し、2026年シーズンには国内トップ5規模の生産量へと成長を遂げている。
また、千葉県房総半島で80余年続くセガワの三代目・加瀬宏行氏が立ち上げた落花生ブランド「Bocchi」は、減少傾向にある生産現場の課題に向き合い、農福連携や環境配慮農法を取り入れた持続可能な落花生作りの取り組みを伝えた。
作り手の熱意と買い手の目利きをつなぎ、未来を語り合う場として企画された今回のイベントは、各社が誇る高い技術力と情熱を来場者に強く印象づけ、盛況のうちに幕を閉じた。
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編集:小田菜々香


















































