AIチップの微細化と高性能化が進むにつれ、それを支える先端製造プロセスで必要とされる水資源も増加している。
エコラボ(Ecolab、NYSE:ECL)のグローバル・ハイテク事業部門でエグゼクティブ・バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるジョシュ・マグナソン(Josh Magnuson)氏は、台湾メディア『新新聞』の単独インタビューに応じ、一部の先端プロセスでは1枚のウエハーが300回以上の洗浄を経ることもあり、使用水量が増えるだけでなく、超純水に求められる純度も一段と厳しくなっていると指摘した。
エコラボはOvivoの超純水技術を統合したことで、製造装置側で性質の異なる廃水を分流・処理する取り組みを進めており、処理水の70~80%を超純水システムの前段階へ戻すことを目標に掲げている。
「プロセスノードが微細化するほど、ウエハーの洗浄回数は増え、水の需要は量と質の両面で同時に高まる」とマグナソン氏は語る。
AI産業は発電、半導体製造、データセンターの冷却に至るまで、あらゆる段階で水を必要とする。エコラボは、発電設備がより少ない水でより多くのエネルギーを支えられるよう支援するとともに、ファブ(半導体工場)の水回収・再利用率を高め、高効率な冷却によってデータセンターの水と電力の需要を抑えることを目指しているという。
産業用水管理から超純水まで エコラボとは
一般消費者向けブランドと比べ、エコラボは台湾での知名度こそ高くないものの、産業用水処理の分野では世界的に知られる大手企業だ。
100年以上の歴史を持つこの米国企業は、40の産業、世界170カ国で事業を展開しており、傘下のNalco Waterは長年にわたり、冷却水、ボイラー水、薬品処理、デジタルモニタリング、現地サービスを提供してきた。
2025年末にOvivoのエレクトロニクス事業の買収を完了したことで、半導体向け超純水、水回収、廃水処理の能力をさらに補完し、CoolITを通じてデータセンター向け直接液冷の分野にも参入した。AIチップとデータセンター需要の高まりに伴い、グローバル・ハイテク事業は現在、エコラボ最大の成長エンジンとなっている。
エコラボによると、これまでに世界で280基を超える超純水システムを導入しており、1時間当たりの造水量は5万1000立方メートルを超える。
このほか、水回収システム85基では1時間当たり約1万9000立方メートル、排水処理システム88基では同2万6000立方メートル超を処理している。
これにより、サービス範囲は原水の受け入れから超純水、製造・冷却用水、回収水、最終的な排水処理まで一貫してカバーしている。

マグナソン氏は、エコラボはもともと水がどのように使われるかを管理することを得意とし、Ovivoは超純水と廃水処理を専門としてきたと説明する。 (関連記事: 【インタビュー】なぜ熊本で地震が相次ぐのか TSMC熊本工場の立地と台北「300年断層」を地質学者が分析 | 関連記事をもっと読む )
「今では半導体顧客に対し、エンドツーエンドの包括的な水管理システムを提供できる」とし、ファブが原水の供給、プロセス用水、廃水回収をそれぞれ切り離して考える必要がなくなったと述べた。


















































