【2026台湾統一地方選】新北市長選、一時の大差から混戦へ 蘇巧慧氏が李四川氏との差を縮めた理由

1年前には、国民党が李四川氏を新北市長候補に擁立すれば、民進党の蘇巧慧氏(中央)に「大差をつける」との見方も少なくなかったが、現在は両氏の支持率が拮抗している。蘇氏が支持を伸ばしたのか、それとも李氏が支持を落としたのか。(写真/劉偉宏撮影)
1年前には、国民党が李四川氏を新北市長候補に擁立すれば、民進党の蘇巧慧氏(中央)に「大差をつける」との見方も少なくなかったが、現在は両氏の支持率が拮抗している。蘇氏が支持を伸ばしたのか、それとも李氏が支持を落としたのか。(写真/劉偉宏撮影)

台湾最大の直轄市で、約400万人が暮らす新北市。その市政の行方を左右する市長選は、民衆党の黄国昌主席との世論調査による候補者調整を経て、国民党と民衆党が協力し、前台北市副市長の李四川氏を擁立した。対するのは、前台北県長の蘇貞昌氏を父に持つ民進党立法委員の蘇巧慧氏で、国民党と民進党による一騎打ちの構図となっている。

かつて国民党の総統候補として出馬した現職の侯友宜・新北市長の後継者が誰になるのか、大きな注目が集まっている。

投票日が近づくにつれ、さまざまな世論調査が公表されている。複数の調査では李四川氏と蘇巧慧氏の支持率が拮抗し、接戦の様相を呈しているが、1年前までさかのぼれば、多くの人が李氏の「大幅リード」とみていた。李氏が蘇氏に8~10ポイントの差をつけた調査も複数あった。

蘇巧慧氏が選挙戦を進める中で支持を伸ばしたのか。それとも李四川氏が支持を落としたのか。

新北市の各行政区における政治勢力図
新北市の行政区別に見た政治勢力図。(羅立邦作成)

国民党・民進党の基礎票はどれほどか 歴代選挙の数字から見る新北市

歴代の新北市長、台北県長選挙における国民党と民進党の得票率を振り返ると、直轄市への改制前の台北県長選挙では、1997年に民進党の蘇貞昌氏が57万1000票、得票率40.67%、国民党の謝深山氏が54万3000票、同38.67%を獲得した。

2001年は民進党の蘇貞昌氏が87万4000票、得票率51.31%、新党の王建煊氏が82万1000票、同48.16%。2005年は国民党の周錫瑋氏が98万8000票、得票率54.87%、民進党の羅文嘉氏が79万8000票、同44.30%だった。

直轄市への改制後を見ると、2010年の新北市長選では国民党の朱立倫氏が111万5000票、得票率52.61%、民進党の蔡英文氏が100万4000票、同47.39%を獲得した。

2014年は国民党の朱立倫氏が95万9000票、得票率50.06%、民進党の游錫堃氏が93万4000票、同48.78%。2018年は国民党の侯友宜氏が116万5000票、得票率57.14%、民進党の蘇貞昌氏が87万3000票、同42.85%だった。2022年は国民党の侯友宜氏が115万2000票、得票率62.42%、民進党の林佳龍氏が69万3000票、同37.58%だった。

板橋区における歴代選挙の投票結果
板橋区における歴代選挙の投票結果。(羅立邦作成)

蘇巧慧氏、地方組織へのあいさつ回りは3巡目 李四川氏は実弟をめぐる問題が影響か

蘇巧慧陣営の戦略に詳しい関係者は、歴代の選挙結果を見ると、国民党が新北市長選で勝利したケースが多い一方、民進党も新北市で少なくとも4割程度の基礎票を持っていると指摘する。このため、新北市は決して国民党が一方的に優位な選挙区ではないという。

蘇巧慧氏は2025年11月に民進党の公認を受ける以前から、新北市内の女性団体や出身地別の親睦団体などへのあいさつ回りをすでに2巡し、3巡目に入っていたという。 (関連記事: 【2026台湾統一地方選】新北市長選、侯友宜氏だけでは足りない? 李四川氏の勝敗を左右する蔣万安氏の後押し 関連記事をもっと読む

2026年の旧正月明けには、民進党の基礎的な支持層の約9割が戻ったと陣営はみている。2026年3月に台北市副市長を退任してからようやく最初のあいさつ回りを始めた李四川氏にとって、この出遅れを取り戻すのは容易ではないと関係者は分析する。

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