2026年2月に着任したアンドリュー・ジェイムズ・シーラー駐日オーストラリア大使は9月9日、日本記者クラブで会見し、日豪関係の現状と今後の展望について語った。
シーラー大使は、かつて敵国同士だった両国が、1957年の日豪通商協定などを経て、現在では最も信頼される戦略的パートナーへと発展してきた歴史的な経緯に言及。両国の戦略的な連携や経済面での相互補完性、相互の信頼関係は「かつてない水準」に達していると強調した。
日豪防衛協力が新たな段階へ 極超音速ミサイルの試験でも連携
安全保障分野について、シーラー大使は両国の連携が新たな段階に入っているとの認識を示した。
先月発表された、日本がオーストラリアの広大な試験場を活用し、極超音速ミサイルを含む長距離打撃能力の試験を行うための枠組みに言及し、これを戦略的な統合に向けた動きの一つと位置づけた。
また、三菱重工業の長崎造船所を視察し、オーストラリア海軍向けの新型フリゲート艦建造に向けた現場を見学したことも明らかにした。日本の伝統的な造船技術と先端技術が融合しているとして、高く評価した。
さらに、宇宙、サイバー、人工知能(AI)、量子技術などの新興技術分野に加え、重要インフラの保護や、スパイ活動をはじめとする外国からの干渉への対抗に向け、情報共有を強化することにも意欲を示した。
日本の電力「1日約8時間分」を支える豪州 LNG・石炭の安定供給を強調
経済とエネルギー安全保障については、日豪両国の相互補完性を強調した。
シーラー大使によると、オーストラリアは日本にとって液化天然ガス(LNG)と石炭の最大の供給国で、日本で使用される電力のうち、1日換算で約8時間分がオーストラリア由来のエネルギー資源によって支えられているという。
また、金融危機やパンデミック、世界的な情勢不安の中でも、日本向けのLNG供給を一度も途絶えさせたことがないとし、安定供給の実績を強調した。
その上で、脱炭素社会への移行を見据え、水素、アンモニア、再生可能エネルギーなどの分野でも協力を拡大していく考えを示した。
日本企業の対豪M&A、2021年29件から2025年77件に
日本からオーストラリアへの投資についても拡大傾向を指摘した。
日本企業によるオーストラリアでのM&A(企業の合併・買収)は、2021年の29件から2025年には77件へと増加したと説明。従来の資源分野に加え、データセンターや先進製造業など幅広い分野への投資が広がっているとして、こうした動きを歓迎した。
中国との関係、経済的利益と安全保障上の課題を両立
中国への対応についてシーラー大使は、日本とオーストラリアはいずれも中国との間に重要な経済的利益を持つ一方、中国からの威圧を経験しているという共通点があるとの認識を示した。
両国は中国との関与を続けながらも、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の平和と安定を維持するため、同志国との連携を深め、適切な抑止力の強化に取り組んでいると説明した。
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編集:梅木奈実













































