認知症などで判断能力が低下した人を支える成年後見制度を見直す改正民法が6月に成立し、2028年内にも施行される見通しとなった。これを受け、法制審議会民法部会の部会長を務めた早稲田大学法学学術院の山野目章夫教授が9月11日、日本記者クラブで会見し、新制度の要点と今後の課題について解説した。
成年後見制度、改正民法で何が変わる?
山野目教授は、これまでの成年後見制度について、権限が包括的であることや、本人の意思を十分に尊重できていないことなど、利用を始めると事実上やめることができない仕組みに起因する複数の課題があったと指摘した。
新制度では、こうした課題を克服するため、特定の行為についてのみ補助人に権限を付与し、必要がなくなれば利用を終了できる仕組みへと転換する。
具体的には、本人に情報を提供した上で意向を把握し、それを尊重することが義務付けられる。また、必要な事務が終了すれば、補助開始の審判を取り消すことが可能となる。
補助人の選任は「具体的な必要性」がある場合に
補助人の選任のあり方も変わる。
認知症が始まったことを理由に自動的に補助人が選任されるのではなく、具体的な事務について補助の必要性が認められた場合に限り、裁判所が選任する。
家族が補助人を務めることも可能で、本人の意見や社会環境などを総合的に考慮して判断される。
現行制度を利用している人については従来の扱いが続くが、申立てによって新しい制度へ移行することもできる。
また、家庭裁判所が判断を下すにあたり、地域権利擁護相談支援センターが情報を収集し、提供する役割を担う。
2028年の施行に向け、福祉・司法・金融・医療の連携が課題
新制度への移行に向けた最大2年6カ月の準備期間では、福祉、司法、金融、医療など幅広い分野の連携が不可欠となる。
とりわけ、医療現場における同意手続きや、金融機関での口座管理などについて、新たな枠組みづくりが求められる。
山野目教授は、本人の保護だけを重視するのではなく、本人の尊厳を考えることが今回の改革の基本精神だと強調。社会全体で新しい成年後見制度を定着させていく必要性を訴えた。
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編集:梅木奈実


















































