林芳正総務相は日本外国特派員協会(FCCJ)で記者会見を行い、災害対策や関連法案、特に7月に発生した熊本地震への対応状況と今後の防災体制について詳しく説明した。
日本は地理的条件や火山活動の多さから大規模災害を避けることが難しいと指摘し、国と自治体が連携して迅速な支援を行うための枠組み整備が不可欠だとの認識を示した。
熊本地震で38人死亡、住宅被害3万6246棟 最大約1万人が避難
7月28日に発生した熊本地震では38人が死亡し、住宅被害は3万6246棟に上り、最大で約1万人が避難を余儀なくされた。
林氏は、同地域で1年間に2度目となる災害に見舞われた中、避難所で高齢女性がトイレを利用するため階段を上り下りする苦労や、過去の災害による借金を抱えたまま再び被災した男性の事例を紹介。被災者が直面している厳しい現実と、個々の事情に応じた配慮の必要性を訴えた。
全国19の大都市などから職員派遣 「対口支援」で自治体を直接支援
被災地支援の具体策として、総務省が主導する自治体間の「対口支援(カウンターパート)」方式の成果について説明した。
これは、特定の自治体が被災した特定の自治体を直接支援する仕組みで、今回は全国19の大都市などから最大885人、延べ2万2675人の職員が派遣された。
熊本市長も、10年前の災害時と比較して、このマッチングシステムによる支援が極めて迅速だったと評価している。
また、自治体の資金繰りを支えるため、地方交付税の繰り上げ交付を実施し、復旧作業に遅れが生じないよう財政面での支援を強化している状況についても説明した。
災害時のSNSデマ対策を強化 AIやロボット、無人機も活用
災害時の情報伝達や技術活用についても、新たな方針を示した。
阪神・淡路大震災の時代とは異なり、現在はSNSを通じてデマや誤情報が瞬時に拡散するリスクがあるため、行政は公式アカウントを通じた正確な情報発信と注意喚起に力を入れているという。
さらに、消防や自衛隊の活動を支援するため、AIやロボット技術の導入を推進。化学・生物・放射性物質・核・爆発物を用いたCBRNEテロに対しても、無人機を活用することで隊員の危険を軽減する体制の構築を進めている。
「防災庁」創設へ 大規模災害の知見を集約
こうした災害対応に関する知見を集約し、次の大規模災害に備えるための専門機関として、政府は「防災庁」の創設に向けた準備を進めている。
平時から災害時、復旧・復興までを一貫して担う司令塔機能を整備し、国や自治体による防災対応の強化を図る。
戦前の内務省と特高警察の教訓 林氏「議会を通じたプロセス重要」
質疑応答では、戦前の内務省と特別高等警察の歴史的教訓について質問が出た。
林氏は、現在の総務省は権限が分散された比較的小規模な組織であると説明し、過去の過ちを繰り返さないためにも、議会を通じたプロセスが重要だと強調した。
中国の政治・経済体制にも言及
また、中国の政治情勢の変化については、かつての集団指導体制から一人体制へと移行し、経済政策も市場経済から社会主義的な経済政策へ回帰しつつあるとの見方を示した。
その上で、中国で軍事力と経済力の双方が強大化している現状について、自身の見解を述べた。
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編集:梅木奈実













































