2026年9月4日、自由民主党の中谷元衆議院議員(元防衛相)が日本外国特派員協会(FCCJ)で記者会見を行った。
会見のテーマは「米国の制裁に対する日本の弱い対応(Japan's Weak Response to U.S. Sanctions)」。米国政府が国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長らを制裁対象とした問題を巡り、日本政府の対応を強く批判し、ICCと赤根所長を断固として支持すべきだと訴えた。
中谷元氏、米国によるICC赤根智子所長への制裁を批判
中谷氏は、防衛相を3度経験し、特に平和安全法制の策定に尽力した経験を踏まえ、法の支配と日米同盟は相反するものではなく、双方が国益にとって重要だと強調した。
その上で、8月18日にトランプ政権が赤根所長を制裁対象としたことについて、日本政府の対応は不十分だと指摘した。
中谷氏は「人権外交を超党派で考える議員連盟」の共同会長として、4つの点を強調した。
第一に、司法官を職務遂行を理由に処罰することは不当であり、法の支配に基づいて職務を行う裁判官に制裁を科すべきではないと指摘した。
第二に、米国はICCの無力化を狙っているとし、ICCはジェノサイドや戦争犯罪など、最も重大な犯罪に対する不処罰をなくすための「最後の砦」であり、その活動能力を損なうことは法の支配そのものを損なうことにつながると訴えた。
第三に、今回の措置は日本に対する制裁に等しいとの認識を示した。日本はICCの最大の分担金拠出国であり、日本の推薦で選出された裁判官が同盟国によってテロリストと同列に扱われることは、法の支配を掲げる日本として看過できず、日本政府には自国民を守る責任があるとした。
第四に、この措置は国際刑事司法全体を萎縮させることを狙ったものであり、ICCの全職員や協力する各国政府、企業などへの威嚇として機能すると指摘。国際社会が築いてきた規範への正面からの攻撃だと主張した。
「法の支配への攻撃に沈黙すべきではない」
中谷氏は、日本が送り出した赤根所長が「いかなる圧力の下でも、法の支配が力の支配に勝ることを示し続ける」と強い覚悟を示している中、日本政府が取るべき態度は明確だと主張した。
「法の支配への攻撃に対する沈黙は、同盟関係における基本的な価値を失うことにもなる」と警告し、日本政府に対し、法の支配を掲げる国としての責務を果たすよう強く求めた。
超党派議連、米国への抗議と制裁撤回要求を政府に要請へ
さらに中谷氏は、8月24日の議員連盟総会で、トランプ政権の決定を最も強い言葉で非難し、日本政府に対してICCと赤根所長を守り抜くこと、総理や外務大臣による抗議と制裁撤回の要求、赤根氏の資金アクセスの確保などを求めたことを明らかにした。
フランス、ドイツ、オランダなどの欧州諸国がICCと赤根所長を強く支持する一方、日本政府の対応は遅れていると指摘した。
会見時点では、9月15日に木原稔官房長官に対し、総理による制裁への抗議と撤回要請、ICCと赤根所長の任務継続を支援するとの明言、さらに日本企業が米国の制裁に従う法的義務はないと明言することなどを申し入れる予定であると説明した。
中谷氏「今こそ政治の出番」 高市首相に対米説明求める
中谷氏は、第一次安倍政権が掲げた「法の支配」や「価値観外交」の原点に立ち返るべきだと主張した。
「今こそ政治の出番であり、高市総理はトランプ氏にしっかりと説明し、理解を得る必要がある」と述べ、ミドルパワーの国々との連携の重要性も指摘した。
さらに、日本国内の法整備の遅れにも言及し、ジェノサイド条約への早期加盟と国内法整備を進めるべきだと訴えた。
中国の海洋進出やロシア、北朝鮮問題にも言及
質疑応答では、中国の海洋進出やロシアのプーチン大統領による北方領土訪問にも言及し、いずれも国際法に反する不法行為だと強く非難した。
また、トランプ大統領の北朝鮮に対する融和的な姿勢については「理解できない」とし、北朝鮮の核・ミサイル問題に対する米国の姿勢に疑問を呈した。
中谷氏は終始、法の支配を守ることこそが日本の国益であり、米国に対しても言うべきことは明確に伝えるべきだと強調し、ICCと赤根所長を全力で守り抜く決意を示した。
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編集:梅木奈実















































