東京のAIスタートアップ「KOWRO(コヲロ)」の原田祐二CEOは、ごく普通のオンライン採用面接をしているつもりだった。ところが面接が進むにつれ、相手がAIを利用したなりすましではないかとの疑念を強めたという。原田氏は面接の一部を録画し、他の採用担当者への注意喚起としてSNSで公開した。
2026年4月に設立されたKOWROは、AIキャラクターチャットボットなどのサービスを手がけるAIスタートアップだ。普段から生成AI技術に接する機会の多い原田氏だったが、今回のビデオ面接では、いくつもの小さな違和感が重なり、最終的には、相手がAIを利用していると確信したという。
人生で初めてAIが面接に来た動画を公開します。
— 原田 祐二 KOWRO CEO (@1230yuji) September 10, 2026
注意喚起も込めて。
補足すると動画スタートが面談スタートではなく、なんか変だなって思っててCOLOさん?(KOWROや)ってなったあたりから頬杖ついてAIだと確信を持ってます笑
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社名を「COLO」と読み間違え 口の動きと音声にもずれ
最初の違和感は、面接が始まって間もなく表れた。
応募者は「KOWRO」という社名を「COLO」と読み間違えた。応募先の社名を誤って読み上げたことに加え、原田氏は、応募者の口の動きと聞こえてくる音声が一致していないことにも気づいた。
原田氏は、口の動きと音声がずれているように見えると相手に指摘した。しかし、返ってきた説明は疑念を解消するものではなかった。
「通信環境の影響かも」 AI利用を否定するも不自然な受け答え
応募者は、音声のずれについて通信環境が原因かもしれないと説明し、自分の側では問題なく聞こえていると答えた。
原田氏が、AIを利用しているように見えるため面接を終了したいと伝えると、応募者はAIの利用を否定した上で、「ご自身が直接お話しています」と返答した。
原田氏は、自分自身を指す文脈で「ご自身」と表現したことにも違和感を覚えたという。
原田氏によると、公開された動画は面接の途中から録画したもので、応募者がKOWROを「COLO」と読み上げたあたりから、すでにAIを利用しているとの確信を持っていたという。その後、面接を切り上げ、注意喚起の目的も込めて映像をSNSに投稿した。
原田氏は投稿で、KOWROでは「絶賛『人間』の採用を加速しております」として、本物の応募者に応募を呼びかけた。
動画はネット上で大きな注目を集め、AI企業が、AIを利用した可能性のある応募者と面接することになったという皮肉な巡り合わせにも、ネット上で注目が集まった。
日本では北朝鮮IT労働者を疑う類似事例も
日本では今年、原田氏のケースに似た事例がほかにも確認されている。
UPI通信によると、3月には東京の物流系ベンチャー企業が、よく似たケースに直面した。ビデオ面接に現れた応募者が、実在する日本のIT企業幹部・吉井健文氏になりすましていたという。
応募者は、インターネット上で公開されていた吉井氏の写真や経歴情報を利用していた。米国育ちだと名乗り、完全リモート勤務を希望していたが、出社が必要な職種だと告げられると、2分足らずで通話を終了した。 (関連記事: 日米韓、北朝鮮サイバー脅威で協議 暗号資産窃取やIT労働者問題に「深刻な懸念」 | 関連記事をもっと読む )
その後の技術的な検証では、不自然な生え際や目の位置のわずかなずれ、音声と口の動きが一致しないといったディープフェイクに特徴的な点が指摘された。













































