台北市長選に立候補している民進党の沈伯洋立法委員は今月、政策交流などのため日本を訪れたが、東京都心をジョギングする姿が台湾国内で大きな話題となった。映像を見た人々が、ランニングウェアの下の胸や背中の部分が不自然に膨らんでいることに気づいたためだ。
東京でのジョギング中に何が起きたのか
台北市長選に出馬している沈氏は、9月11日から14日にかけて日本を訪問した。今回の訪日の目的として掲げたのは、日本の国会議員との議員外交、都市間交流、自身の選挙運動を支援する海外後援会の発足の3点だった。
9月12日朝、沈氏は皇居周辺にある日本の「ランニングステーション」を視察するため外出した。ランニングステーションは、屋外で運動するランナーらがウェアやシューズなどを借りたり、着替えや荷物預かりなどのサービスを利用したりできる施設だ。
ジョギング中には、沈氏が施設へ急いで戻る様子が撮影された。本人は、予定より時間が押しており、着替えるため戻る必要があると話していた。
映像を見た人々は、沈氏のシャツの下で胸や背中の部分が不自然に膨らんでいることに気づき、インターネット上では防弾ベストを着用しているのではないかとの憶測が急速に広がった。
台北への導入を目指す政策を現地で視察
今回の外出は、単なる運動ではなかった。沈氏は、MRT駅や公園、登山口の近くに、台北でも同様の「ランニングステーション」を設置する構想を掲げている。ランナーや登山者が荷物を預けたり、着替えたり、運動後に体を洗ったりできる場所を提供するというものだ。
今回の東京での施設訪問は、そのための実地視察と位置づけられていた。沈氏は、台湾への導入を検討するにあたり、台湾人と日本人双方のランナーに、こうした施設に実際に何を求めているのか聞き取りを行ったという。

「海外では常に防弾ベスト」 中国当局の刑事捜査を理由に
シャツの下の膨らみについて直接尋ねられた沈氏は、防弾ベストを着用していたことを認めた。沈氏によると、台湾国外へ出る際には毎回防弾ベストを着用しており、7月に米国を訪問した際も一貫して身につけていたという。
沈氏は、中国当局から刑事捜査の対象とされていることを理由に挙げ、身辺の安全を確保することは有権者に対する責任の一環だと説明。海外で有権者を代表する立場にある以上、不測の事態を避けたいとの考えを示した。
台北市長選が本格化 蔣万安市長にも矛先
今回の訪日は、台北市長選の選挙戦が本格化する中で行われた。海外滞在中も、沈氏は現職の蔣万安市長にも矛先を向け、「答えないこと」が蔣氏の代名詞にならないよう望むと述べたほか、街路樹の伐採や日よけの設置をめぐる市内の論争について、蔣氏に対応を求めた。
一方、国民党の鄭麗文主席は、沈氏の選挙運動について、政策をめぐる中身のある議論が乏しいと批判した。
沈氏は今回の訪日の最後に、自身の選挙運動を支援する全日本後援会の発足大会に出席した。
支持者らに対し、国際交流と地方行政は切り離されたものではなく、都市外交と台湾全体の安全保障は密接に結びついていると訴えた。
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編集:梅木奈実 (関連記事: 台北市長選、民進党・沈伯洋氏の日本後援会が9月発足 東京で本人が講演へ | 関連記事をもっと読む )
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