米中首脳会談「トランプ氏は実利、習近平氏は面子」 台湾専門家、対立緩和は「時間稼ぎ」と分析

2026-09-29 18:03
台湾大学政治学科の明居正名誉教授は「動くべき時に動き、メスを入れるべき時にメスを入れる」と表現し、米中は首脳会談後も、科学技術、経済・貿易、安全保障、そして地域問題において、それぞれ独自の政策を推進していくと指摘した。(柯承恵撮影)
台湾大学政治学科の明居正名誉教授は「動くべき時に動き、メスを入れるべき時にメスを入れる」と表現し、米中は首脳会談後も、科学技術、経済・貿易、安全保障、そして地域問題において、それぞれ独自の政策を推進していくと指摘した。(柯承恵撮影)

中国の習近平国家主席が訪米し、トランプ米大統領と会談し、晩餐会に出席した。複数の有識者の見解を総合すると、今回の米中首脳会談の特徴は、どちらかが圧倒的な勝利を収めるということはなく、双方とも一時的に関係を安定させる理由を有していた点にある。トランプ氏は国内向けにアピールできる外交、経済的成果を必要とし、習氏は大国間の対話と最高位の首脳外交の維持を望んでいた。これにより、双方が対立を一時的に緩和すべきとのインセンティブが働いたのだ。

台湾のシンクタンク、国策研究院文教基金会は26日、「第2次米中首脳会談と米中の覇権争い」と題した座談会を開催した。アジア太平洋平和研究基金会の董立文執行長、匯理国際政策諮詢集団(マクロ・ポリティクス・コンサルタント)の譚耀南董事長、国立台湾大学政治学科の明居正名誉教授、中央研究院欧米研究所の林正義兼任研究員ら有識者を招き、ワシントンで開催された首脳会談後の米中関係の行方について分析した。国策研究院が発表した議事録によれば、会談内容を分析する第1セッションには林氏と明氏が参加、「会談後の影響」をテーマとする第2セッションでは、董氏と譚氏がパネリストを務めた。

首脳会談は「時間稼ぎ」、明言を避けた米中両国

アジア太平洋平和研究基金会執の董立文執行長は、今回の首脳会談では米中両首脳が「共に時間を稼ぎ、変化を待つ」という異例の特徴が示されたと指摘する。同氏の表現を借りれば、トランプ氏が実質的な政治的成果と国内向けの宣伝材料を手にした一方で、習氏は最高待遇の歓待と外交の舞台を獲得し、「トランプ氏が実利を得、習氏が面子を保つ」構図となった。

トランプ氏が自らアンドルーズ空軍基地に出向いて習氏を出迎え、ホワイトハウスが盛大な国賓待遇の儀式を用意したものの、会談に関して公開された情報は限定的で、双方が実際に何を取引したかについて外部の憶測を呼んでいる。米国の主要メディアも同様に、盛大な演出の一方で、貿易戦争の休戦延長などの措置を除き、二国間関係を根本から変えるような重大な進展は見られなかったと報じている。

20260926-亞太和平研究基金會執行長董立文26日出席國策研究院文教基金會「二次川習會與美中博弈」座談會。(柯承惠攝)
26日、国策研究院文教基金会主催の座談会に出席したアジア太平洋平和研究基金会の董立文執行長。(26日、柯承惠撮影)

董氏はさらに、米中両政府が一部の敏感な問題に対する説明を欠いたことが、米連邦議会、シンクタンク、メディアの間にさらなる疑念を生じさせたと批判。また、情報不足の中、中国の世論において「各自が勝手な主張を展開する」現象が起きているとも指摘している。言い換えれば、外交舞台が盛大であればあるほど、公にできない部分が逆に注目を集める結果となるといった点が、今回の米中首脳会談において最も特徴的な政治的な構図となったと分析した。 (関連記事: 【米中首脳会談】「中華民族の復興」とMAGAは両立可能 習近平氏、米側に「台湾独立反対」の立場堅持求める | 関連記事をもっと読む )

際立つ儀礼感、消えない米中の覇権争い

一方、匯理国際政策諮詢集団の譚董事長は、今回の会談を「実質的な進展よりも儀礼的な意味合いが強かった」と位置づけた。同氏によれば、米国が長期にわたり維持する「一つの中国」政策は今回の会談によって変化しておらず、台湾海峡問題は重要であるものの、現時点では米中両政府が重大な政策取引を行うための主観的、客観的条件が欠如しているという。

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