米中首脳会談、10年前と変わった力関係 台頭する中国、米国の「一方的優位」は終わったのか

2026-09-24 17:07
2017年の米中首脳会談2日目、フロリダ州マール・ア・ラーゴを散策するトランプ氏と習近平氏(AP)
2017年の米中首脳会談2日目、フロリダ州マール・ア・ラーゴを散策するトランプ氏と習近平氏(AP)

中国の習近平国家主席がワシントンを訪問し、ドナルド・トランプ米大統領と間もなく首脳会談を行う。習氏の今回の交渉姿勢は、約10年前に米国で初めて会談した際とは完全に異なっている。2017年にマール・ア・ラーゴ(Mar-a-Lago、フロリダ州)で米中首脳会談が行なわれた当時、中国は多くの分野で米国に遅れをとっており、トランプ氏が仕掛ける技術戦、貿易戦の影響を極めて受けやすい状態にあった。しかし現在、習氏が率いるのは、極めて大きな転換を遂げた国家だ。

米CNNの報道によると、世界第2位の経済大国となった中国は、今や技術大国としても台頭している。国内の情報技術(IT)人材が中国の人工知能(AI)モデルの開発を急速に推し進め、一部のシリコンバレー企業に肉薄する水準に達している。さらに、北京の民間宇宙企業は、再利用型ロケットの打ち上げと回収に成功し、米宇宙開発大手スペースX(SpaceX)に挑む姿勢を見せている。株式市場においても、過去1年間でエネルギー、AI、ロボティクスから半導体メモリーに至るまで、有望視される新興ユニコーン企業が次々と誕生し、話題を集めている。

中国、レアアースを切り札にする可能性

中国の巨大な製造業サプライチェーンは、2025年に1兆2000億米ドルの貿易黒字を創出した。その要因の一部は、同国の電気自動車(EV)、ソーラーパネル、半導体に対する市場の強い需要だ。また、中国が一部の輸出サプライチェーン、とりわけレアアース(希土類)を掌握していることは、トランプ氏の「米国第一主義」に基づく貿易摩擦に直面する中国指導部に、独自のけん制力と自信をもたらしている。

米中首脳会談、マール・ア・ラーゴでの習氏とトランプ氏。(AP通信)
2017年にマール・ア・ラーゴで行なわれた米中首脳会談でのトランプ氏と習氏。(AP通信)

こうした変化により、中国政府には以前とは異なる心理状態が生まれ、米国が一方的に中国へ要求や脅しを突きつけることができた時代はすでに終わった。復旦大学国際問題研究院の呉心伯院長は、現在の中国は9年前よりも自信を深めており、さらに重要なのは、今日の中国が既に「米国をけん制する有効な手段」を見出している点だと指摘する。米国政府はより対等かつ相手を尊重する姿勢で中国に接する必要があり、両国関係はますます互恵的なものにならざるを得ないとの認識を示した。

ただ今回の3日間の訪米日程で、習氏が取り組むべき課題は山積している。同氏は中国の減速する経済に新たな活力を注入し、5月に北京において米中間で合意した「建設的な戦略的安定」という目標を維持することで、自国の発展が阻害されないよう努めるとみられる。しかし、世界的な影響力と技術力の高まりを背景に、習氏はワシントン(米政府)に対して新たな現実も突きつけるだろう。すなわち、中国政府は米国との安定した関係を望んでいるものの、中国の台頭は米国との安定した関係に依存しないという現実だ。 (関連記事: 習近平氏への異例の厚遇に米議会反発 共和党重鎮が批判、対台湾支援・武器売却の凍結解除を要求 関連記事をもっと読む

また、中国共産党機関紙、人民日報の署名記事の中で、中国の謝鋒駐米大使は、台湾問題と人権問題が中国にとって「レッドライン(越えてはならない一線)」だと強調した。中国の主権、安全保障、発展の利益は侵害されてはならず、台湾問題、民主主義と人権、政治体制と発展の道筋、そして発展の権利という4つのレッドラインへの挑戦は断じて許されないとした。

中国駐米大使・謝鋒氏は米中首脳会談を前に『人民日報』を通じて寄稿し、台湾問題が両国間で越えてはならない「レッドライン」の一つであることを改めて強調した。(公式サイトより)
中国の謝鋒駐米大使は米中首脳会談を前に人民日報に寄稿し、台湾問題が両国間で越えてはならない「レッドライン」の一つだと改めて強調した。(公式サイトより)
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