【図解】中国で議論進む「一国二制度・台湾案」 国台弁「台湾の現状や住民の利益・感情を十分考慮」

中国国台弁の朱鳳蓮報道官は23日、一国二制度・台湾プランの具体的実現方式は、台湾住民の利益と感情を十分に考慮するものになると述べた。(中央社)
中国国台弁の朱鳳蓮報道官は23日、一国二制度・台湾プランの具体的実現方式は、台湾住民の利益と感情を十分に考慮するものになると述べた。(中央社)

中国は先ごろ、専門家を招集し、「台湾への一国二制度導入プラン」をテーマとするシンポジウムを開催。「台湾軍の解散」を含む台湾統治プランに関する12項目の合意事項を取りまとめた。これは、中国大陸側が中台統一後の台湾の処遇を厳格化させるシグナルとして受け止められている。一方、中国で対台湾政策を統括する国務院台湾事務弁公室(国台弁)の朱鳳蓮報道官23日、「台湾への一国二制度導入プラン」は、台湾の現状や両岸(中台)住民の意見、台湾住民の利益と感情を十分に考慮するものだと強調した上で、依然として台湾問題解決の基本方針は「平和的統一」だと説明した。

9月12日、香港大学北京センターで「一国二制度の香港・マカオにおける実践」および「一国二制度・台湾プランの制度設計と実効性のあるガバナンス」と題する座談会が開催され、中国の学術界は12項目の合意事項をまとめた。その中には、台湾の行政長官(特首)や立法委員(国会議員に相当)の直接選挙を容認する一方で、北京の中央政府が台湾に人民解放軍を駐留させ、台湾の武装を解除する内容が重点項目として盛り込まれた。さらに、仮に非平和的な手段によって統一がなされた場合、台湾に対し3年から5年の「準軍事統治」を敷き、その期間中に台湾独立派の人物に対する刑事責任を追及するとしている。

中国学術界「一国二制度・台湾プラン」12項目の合意事項
9月12日の座談会で提示:統一原則、中央集権、軍事、政党選挙、教育から「台湾特別行政区基本法」に至る制度構想
番号主張の核心要旨ポイント
1核心的主張一国二制度の位置づけ内容「一国二制度」を中華文明の政治的英知と位置づけ、長期的に堅持し、制度を完全なものとするポイント長期的実施を強調
2統一方式平和的統一、非平和的統一を問わず「一国二制度」を導入する。統一方式に関わらず制度設計は不変
3「一国」の位置づけ「一つの中国」とは中華人民共和国を指す。中央政府が全面的なガバナンス権を有し、法律に基づき台湾に高度な自治を付与する。中央の全面的統治+台湾の高度な自治
4中央と台湾の関係「一国」と「二制度」、中央と特区、中央の統治と高度な自治の3つの関係を強調。主権、安全保障、国防、外交等の最終審判権は中央に帰属。台湾の権力は中央によって授権される。
5国家安全とガバナンス国家の安全に関する法律およびメカニズムを「台湾特別行政区基本法」に組み込み、「行政主導」と「法治」を実施するよう提言。「愛国者による台湾統治」
6非平和的統一の過渡期非平和的手段で統一した場合、3~5年の過渡期を設け、「準軍事統治」を実施可能とする。3~5年の「準軍事統治」
7軍事面の取り決め統一後、中央が台湾特別行政区に軍を駐留させ、台湾の既存の武装を解除、武器装備を中央が接収する。人民解放軍の台湾駐留+台湾の武装解除
8政党と選挙行政区画、政党および選挙制度の再編。政党制度は維持するが、政党活動は「台湾特別行政区基本法」に合致する必要がある。政党・選挙・行政区の再編
9教育制度台湾の教科書改訂を提起し、愛国主義、国民教育、法治教育を推進する。教科書と教育内容の見直し
10対外交流統一後もビジネスや文化等の民間交流は可能とし、外国および国際的な経済ビジネス機関は台湾に事務所を設置できる。国際的な民間交流の維持
11台湾の戦略的位置づけ台湾を国家安全保障上の東側の防壁、浙江・福建・台湾大湾区(グレーターベイエリア)の拠点、アジア太平洋経済のオペレーションセンター、およびハイテク産業拠点と位置づける。安全保障+経済+テクノロジー拠点
12立法の取り決め「台湾特別行政区基本法」の早期制定を主張。両岸各界の意見を吸収し、最終的には全国人民代表大会(全人代)が決定する。「台湾特別行政区基本法」の制定推進
資料注記:上記は2026年9月12日の座談会で公開された「12項目の合意」の要点である。出席した学者が提起した主張であり、中国大陸の公式な政策文書ではない。

国台弁は9月23日、定例記者会見を開き、朱報道官が司会を務めた。

台湾メディアからの質問:台湾孫文学校校長を務める張亜中氏はメディアへの寄稿文の中で、北京(中国政府)は「一国二制度」を美酒とし、「武力統一」を罰として突きつけていると指摘。戦火が差し迫っていない状況の中、台湾市民にとって、こうした内容は統一後の処遇プランにしか見えず、台湾の民心を動かすことは難しいとの認識を示した上で、北京は知恵と資源を統一前の「和合(平和的融和)」を模索することに注ぐべきであり、両岸(中台)がいかにして敵対状態を終結させ、相互信頼を構築するかという問いにまず答えるべきだと提案した。すなわち、台湾を共同参画者とするのであり、いきなり統一後の制度設計へと飛躍すべきではないという主張だ。

これに対しどのような見解を持っているか。大陸側は台湾に対する現在の発言を見直し、台湾各界と統一前の「和合プラン」についてより多く議論を交わす意向はあるか。

国台弁:台湾民衆の利益と感情を十分に配慮

朱氏は台湾メディアの質問に対し、「我々は常に統一に向けた努力を続けている。平和的統一および一国二制度は台湾問題を解決する基本方針であり、国家統一を実現するための最良の方法だ。これは、あらゆる川の水を受け入れる海のような包容力を持つ中華の英知を体現しており、台湾の現実を十分に考慮したもので、統一後の台湾の長期的な安定と平和にも寄与する」と答えた。

また「『一国二制度・台湾プラン』の具体的な実現方式は、台湾の現状を十分に考慮した上で、両岸の住民の意見と提案を吸収し、台湾住民の利益と感情に十分な配慮を行うものとなる」と強調。「『1992年の共通認識(92共識、92コンセンサス)』の堅持と台湾独立への反対という共通の政治的基盤の上に立ち、我々は台湾の各政党、団体、各界の関係者とともに、両岸関係と民族の未来を巡って広範かつ踏み込んだ民主的協議を展開し、両岸関係の平和的発展を推進するため共に努力していく容易がある」とコメントした。

さらに「我々は台湾同胞からの祖国統一の大業を推進するための提言を歓迎する。台湾同胞がく統一に関する議論をより早期に、より多く展開すればするほど、台湾の経済社会発展にさらなる機会をもたらし、自らにより多くの実質的な利益をもたらすことができる」と訴えた。

編集:平松靖史

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