日米両国による為替介入を経て、しばらく落ち着きを見せていた円相場が今週、再び外国為替市場の焦点となっている。円は一時1ドル=156円を割り込む水準まで上昇し、約1カ月ぶりの高値を付けた。
市場参加者が日本銀行(日銀)の利上げ加速を再び織り込み始めたことに加え、長年活発に行われてきた円キャリートレードにも巻き戻しの兆しが出ている。円売りポジションの買い戻しも加速し、円の上昇に拍車をかけた。
投資家は、日銀が9月18日の金融政策決定会合で何らかの行動に踏み切るとの見方を強めており、高田氏は0.25ポイントを上回る利上げの可能性も排除しなかった。
野村証券の日本為替ストラテジー責任者、後藤祐二郎氏は、円安が続き、円相場が再び1ドル=160円方向へ下落した場合、日銀がより積極的な政策運営に踏み切る可能性があると指摘する。
9月に利上げした後、10月、12月と3会合連続で利上げするという極端なシナリオも排除できないという。
ただ、過去30年間の大半をデフレとの闘いに費やし、借入コストをほぼゼロに維持してきた日銀にとって、3会合連続の利上げは異例の速さで金融引き締めを進めることを意味する。
後藤氏の現時点での基本シナリオはより穏健で、日銀は今後少なくとも「四半期に1回」のペースで利上げを進める可能性があるとみており、当面の目標水準を1ドル=154円としている。
円キャリートレードの時代は終わりに近づくのか
円は長年、世界のキャリートレードで代表的な調達通貨の一つとなってきた。
日本が長期にわたって極めて低い金利を維持してきたため、投資家は低コストで円を借り入れ、その資金を米国債や株式、ブラジル、メキシコなどの高利回り市場へ投資することができた。円が大幅に上昇しない限り、投資先との金利差を収益として得られる仕組みだ。
しかし、利上げ観測が高まり、日本国債の利回りが上昇すれば、この取引の魅力は低下する。
円高が同時に進めば、投資家は調達コストの上昇だけでなく、為替差損にも直面することになり、キャリートレードの巻き戻しにつながる。
さらに、こうした動きが連鎖的に他市場へ波及する可能性もあり、2024年8月初旬の苦い教訓は記憶に新しい。
野村のロンドン拠点でFXオプション取引を担当するサガール・サンブラニ(Sagar Sambrani)氏は、現在、円を調達通貨とするキャリートレードの巻き戻しがみられると指摘する。
同時に、投資家が中期的に他のG10通貨よりも円を選好する動きも明確に強まっているという。
サンブラニ氏は、市場では「容易に金利差を稼げた円キャリートレードの時代は終わりに近づいている」との見方が広がり始めており、日本から米国へ向かうクロスボーダー資金フローの規模にも大きな変化が生じる可能性があるとみている。 (関連記事: 【寄稿】東京はなぜ「安く」なったのか 台湾トップエコノミストが読み解く、円安の裏側に潜む「構造変化」の正体 | 関連記事をもっと読む )
米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、8月25日までの1週間で、レバレッジ・ファンドの円のネットショートは8万1,619枚、資産運用機関では1万8,284枚となった。
















































