東京スカパラダイスオーケストラ(以下、スカパラ)の結成37年の歩みを現代アートとリサーチの手法を用いて読み解く展覧会「TOKYO SKA HAS NO BORDER」が、8月11日より東京・西麻布の「WALL_alternative」にて開幕した。
本展はエイベックス・クリエイター・エージェンシー株式会社が主催し、同社と島影圭佑氏が企画・リサーチを担当。
開幕に先立ち開催された内覧会には、スカパラのメンバーである谷中敦、GAMO、大森はじめ、NARGO、川上つよしの5名が来場し、参加アーティストやキュレーション・リサーチを務めた島影氏とともに会場を巡り、作品や企画に込められた思いを語り合った。
スカパラ37年の歩みを「NO BORDER」の視点から表現
本展の出発点について、リサーチを担当した島影圭佑氏は、調査を進める中でスカパラが独自のサウンド「東京スカ」を通じて平和を実現し、それを広げ続けている存在であることを確信したとし、その平和のあり方をアートとリサーチの力で可視化して社会へ提示することを目指したと説明した。
会場では3組の現代アーティストがそれぞれの表現技法を通じ「NO BORDER」という概念を作品化している。
3組の現代アーティストがスカパラの世界観を作品化
音楽カルチャーを起点に人工素材を組み合わせるブリコラージュの手法を用いる大野修氏は、代表作『Chunk』シリーズの新作4点を発表。スーツ姿や管楽器、パーカッションのパーツ、そして谷中敦氏の言葉である「戦うように楽しむ」から着想を得た造形を盛り込んだ。
さらにメンバーが実際に使用していたスティックやスネアのヘッドなどを用いたインスタレーション『Synthesizer #2601』も展示されている。
同作には素材の生々しさを残すためジョイント部分のみに彫刻を施し、約20個の振動センサーとオシロスコープを搭載することで、会場の音や振動に対する機材の反応を可視化し、来場者も作品の循環の一部となる体験を創出している。
ペインティングを中心に展開するvug氏は、自身が日常的に描いてきた「LOVE」と「平和」というテーマを接続させた。
スカパラが重要事項を決める際に全員で話し合って決定するという「民主主義的」な姿勢から着想を得て、複数の人物が寄り添い対話する光景を描いた作品や、地球の上を歩きながら「LOVE」を叫ぶ人物、芝生の上で空に浮かぶ風船を眺める人々を描いた作品などを発表。
会場の壁画にも多くの人物が共存する様子を描き出し、スカパラという共同体が持つ賑やかさや祝祭性を表現した。
ライブ写真をデジタル表現へ、音楽の「グルーヴ」を可視化
写真家・アーティストの小林健太氏は、デジタル写真の色情報を引き伸ばして絵の具のストロークのように変形させる代表技法「スマッジ」を用いた新作を展示した。 (関連記事: 日本の精神性を現代の視点で再定義 西麻布・WALL_alternativeで展覧会「QUIET CLASSIC」が開催中 | 関連記事をもっと読む )
素材には写真家JULEN氏が2023年のスカパラニューヨーク公演で撮影したライブ写真を使用。複数の写真のコラージュ上にスマッジによるストロークを重ねることで、静止画の中に音楽の動きや身体性を立ち上げた。













































