「パンダは台湾で見ればいい」発言も話題に　親台派・上畠寛弘議員、台湾への思い語る

親台派として知られる日本・神戸市選出の神戸市会議員、上畠寛弘氏が、自身の名前の表記や台湾に対する発言をめぐり、台湾および日本で注目を集めている。

上畠氏はこのほど、自身のSNSに「私の名前は『上畠寛弘』であり、『富弘』ではない」と投稿し、名前の誤表記が多いことに言及した。投稿では、日本特有の漢字である「畠」についても説明し、「畠」は「畑」と同義であり、日本語では「はたけ」を意味すると紹介。台湾のユーザーからは「初めて知った」「丁寧な説明で分かりやすい」といった反応が寄せられた。

また上畠氏は、日中関係や台湾情勢に関連して、「日本人がパンダを見たいのであれば、台湾に行けばよい」と発言し、これも大きな話題となった。東京・上野動物園のジャイアントパンダの返還期限が近づく中、中国への配慮を前提とした「パンダ外交」に対し、「自由で民主的な台湾を訪れればよい」との考えを示した形だ。この発言に対し、中国側は強く反発した一方、日本や台湾では共感や支持の声も上がっている。

こうした中、上畠氏は今月、台湾を訪問。台北市で発生した無差別殺傷事件を受け、現地で犠牲者を悼む行動を取った。事件は19日に発生し、複数の死傷者を出す深刻な事態となった。台湾社会に大きな衝撃が広がる中、市民が自発的に献花を行い、各地で哀悼の意が示されている。

上畠氏は、同じく親台派の吉田健吾氏とともに、事件現場の一つである台北市・誠品生活南西店前を訪問。黒いスーツ姿で花を手向け、静かに黙とうを捧げた。現地では多くの市民が足を止め、犠牲者を悼む光景が続いていた。

上畠氏は取材に対し、「愛する台湾でこのような出来事が起きたことに、深い悲しみを覚える」と述べ、「このような時だからこそ、台湾の人々と悲しみを分かち合いたい」と語った。また、「困難な時こそ、台湾と共にある姿勢を示すことが大切だ」と強調した。

上畠氏は、母校・甲南高校と台湾との交流支援やTSMCの視察、潘孟安・総統府秘書長との会談、国家人権博物館の訪問などを目的に個人で訪台していた。その滞在の合間を縫い、現地を訪れて献花を行ったという。

台湾社会では今回の事件を受け、国内外から寄せられる連帯の声が広がっており、日本からの一連の動きも静かな感動を呼んでいる。

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編集：梅木奈実