トランプ氏がFIFAに直談判 米代表FWの出場停止処分が猶予、政治介入批判も レッドカードに対する特例措置が物議を醸している。インファンティノFIFA会長(左)とトランプ米大統領(右)。(AP通信)
ドナルド・トランプ米大統領 はこのほど、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長と直接電話で会談し、サッカー・ワールドカップ(W杯) 米国代表の主力でフォワード(FW)のフォラリン・バログンが前戦で受けたレッドカードによる出場停止処分を改めて審査するよう求めたと明らかにした。
トランプ氏はホワイトハウスの大統領執務室(オーバルオフィス)でメディアに対し 、米代表が臨んだ決勝トーナメント1回戦(ラウンド32)の試合をフル視聴したと述べた上で、「主審の判定は非常に不公平だった」との認識を示し、バログンが相手選手に行った身体的接触は「全くファウルに当たらない」と主張した。FIFAの決定を覆すよう求めたのは誰かという世間の疑問に対し、トランプ氏は「その通り、私が自らFIFAに再審査を要求した」と明言した。
バログン、ラウンド16に出場 米ABCニュース(ABC News)が米政府高官の話として報じたところによると、トランプ氏とインファンティーノ氏は先週電話で会談し、バログンの退場処分に至った具体的な理由について深く協議したという。同高官はさらに、その後の申し立てプロセスを通じ、米政府が追加の「決定的な映像証拠」を自発的にFIFAに 提出したことも明らかにした。
仏リーグ・アンの強豪モナコに所属する米代表FWのバログン。(AP通信)
ホワイトハウスからの強い政治的圧力を受け、FIFA規律委員会は異例の対応を見せた。同委員会はレッドカードによる出場停止処分の執行を一旦保留し、選手に1年間の猶予期間(執行猶予)を付与すると発表した。これにより、米国の主力FWは米東部時間6日午後8時にシアトルのスタジアムで開催されたラウンド16の試合に予定通り出場することが可能となり、米国代表の先発メンバーとして「赤い悪魔」の異名を持つベルギーと対戦した。
事の発端は先週行われたボスニア・ヘルツェゴビナ戦にさかのぼる。バログンはこの試合の後半、激しいボールの奪い合いから主審に一発退場を命じられ、規定に基づき次戦の出場停止が自動的に確定していた。
サッカーの競技規則では、試合でレッドカードを受けて退場した場合、自動的に次戦の出場が禁じられる。そのため、主要な国際大会における退場処分の影響は極めて大きい。皮肉なことに、同試合直後にメディアの取材に応じた際、FIFAは「主審の判定が最終決定であり、いかなる変更や上訴も認められない」と断言していたが、その方針はあっけなく覆されることとなった。
2026年ワールドカップ、ベルギー代表。(AP通信)
今回付与された「執行猶予」とは、仮にバログンが今後1年以内に、同等の性質および重大性を持つ反則行為を再び犯した場合、元々の出場停止処分が即座に執行されるというものだ。なお、これは新たな反則に伴う追加処分には影響しない。
ベルギーは猛反発 この「恩赦」とも言える前代未聞の 決定に対し、米国と対戦したベルギーが激怒したのは想像に難くない。ベルギー王立サッカー協会(RBFA)は直ちに申し立てを行い、強く抗議した。FIFAの決定に対し、同協会は「とてつもない衝撃を受けており、到底信じがたい」と非難している。
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