ウクライナのゼレンスキー大統領は18日、複数の欧州首脳とともにホワイトハウスを再訪し、アラスカでの「プーチン・トランプ会談」を受け、ウクライナの利益と領土の一体性を守る姿勢を示した。トランプ氏とゼレンスキー氏はまず大統領執務室(オーバルオフィス)で会談し、その後ホワイトハウス東館において欧州首脳らと数時間にわたる非公開協議を行った。事情に詳しい関係者によれば、トランプ氏は会談の途中で一時中断し、ロシアのプーチン氏に電話をかけたという。出席していたNATOのルッテ事務総長は、プーチン氏がゼレンスキー氏との直接会談に同意したことを明らかにし、「今日は成功の日だ」と述べ、さらに「トランプ氏は平和の仲介者だ」と称賛した。
ホワイトハウス高官が『ニューヨーク・タイムズ』に語ったところによれば、米露首脳の電話会談終了後、欧州首脳らは再び大統領執務室(オーバルオフィス)に戻り、トランプ氏と協議を行った。この高官は会議内容を公に論じる権限がないとして匿名を条件に語った。トランプ氏はインターネット上の投稿でプーチン氏との通話を認めたが、具体的なやり取りは明らかにしなかった。一方、18日にホワイトハウスでトランプ氏と会談したNATOのルッテ事務総長は、トランプ氏がプーチン氏にまずゼレンスキー氏との会談を受け入れさせ、その後に米露ウクライナ三者会談を設定することに成功したと説明した。ただし、その会談の日程や場所については今後調整が必要だとしている。

ルッテ事務総長はトランプ氏を「平和の仲介者」と大いに称賛した。『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、ルッテ氏がすでにトランプ氏の性格を把握し、他の各国首脳がアメリカ大統領を持ち上げる際に用いる「迎合と称賛」の手法を踏襲したものだと評している。NATO事務総長によれば、欧州首脳らはホワイトハウスでウクライナへの安全保障について協議し、今後数日以内に具体策をまとめたうえで、米大統領とのオンライン会議を行う予定だという。ロシア国営通信タスはクレムリンの声明を引用し、プーチン氏とトランプ氏の両首脳がロシアとウクライナ代表団による直接交渉を継続することで一致し、交渉レベルを引き上げる案についても話し合ったと報じた。ただし、クレムリンはロシア・ウクライナ首脳会談や米露ウクライナ三者会談に関する情報については確認していない。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、トランプ氏が二つの首脳会談を通じてロシア・ウクライナ戦争を解決しようとする手法について、大胆である一方、失敗のリスクも極めて高いと分析した。特に停戦合意を優先せず、最終合意の内容をめぐりキーウとモスクワの間に大きな隔たりが残る点が指摘されている。会談後、ゼレンスキー大統領はホワイトハウス前で記者団に対し、ウクライナが求めているのは戦争の一時停止ではなく「真の平和」であると強調し、会談の成果について「良好で正常だ」と述べた。さらにウクライナはプーチン氏とのいかなる形式での会談にも応じる準備があるとした上で、領土問題は双方で解決すべきだと明言した。また、ウクライナの安全保障に関する詳細は10日以内に文書化される予定であり、米国との間で無人機購入契約を締結したほか、今後約900億ドル(約13兆円)規模の米国製兵器を追加調達する見通しである。