文化部が主催する「We TAIWAN 台湾文化 in 大阪・関西万博」シリーズイベントは最終週末を迎え、映画・舞台・キャラクターイベントが相次いで開催された。李安(アン・リー)監督の名作映画『恋人たちの食卓』の特別上映、VRを活用した舞台作品『脳を解放しよう』、さらに人気キャラクターa-Weをテーマにした「a-Weの夜」が行われ、大阪で台湾文化が大きな注目を集めた。
『恋人たちの食卓』上映に300人超が来場
大阪市中央公会堂では「台湾映画の輝かしい今昔」と題した特集上映の一環として、『恋人たちの食卓』(1994)が上映された。会場には300人を超える観客が詰めかけ、上映後には主演の楊貴媚(ヤン・クイメイ)が登壇。当時の撮影秘話を披露した。
映画は台北でロケが行われ、師大和平東路、圓山大飯店、中正記念堂、植物園など、1990年代の街並みや食文化が映し出されている。劇中では俳優・郎雄(ラン・ション)演じる料理人が五花肉や蟹粉小籠包といった豪華な料理を次々と披露し、観客を魅了した。
楊氏は長女・朱家珍役を演じた。「李安監督はとても温厚で、滅多に怒ることはありませんでした。ただし現場では“静かにして、雑談をやめて”と厳しく指示していました」と振り返った上で、「31年後に修復版が上映され、日本の皆さんと笑いや涙を分かち合えるのは本当に嬉しい」と語った。
国家電影・視聴文化センターの褚明仁董事長は「この作品は1994年にカンヌ監督週間のオープニング作品に選ばれ、アカデミー外国語映画賞にもノミネートされた。大阪の会場で観客が涙を拭う音を聞き、世代や国境を超えて共鳴する力を改めて感じた」と話した。舞台挨拶では観客との交流もあり、楊が「好きな台湾料理は?」と問いかけると、「魯肉飯」「鶏肉飯」「鼎泰豊」「火鍋」、さらには「臭豆腐」まで声が上がり、会場は大いに盛り上がった。
VR舞台作品『脳を解放しよう』も上演
同じ中央公会堂では、VR没入型ダンス作品『脳を解放しよう』も上演された。観客40人がVRヘッドセットを装着し、ダンサーの案内によって古典的な宴会場が巨大なダンスホールへと変貌する様子を体験した。
演出を手がけた周東彥監督は「大阪公演は2年間・5都市の巡演の中で最も技術的完成度が高かった。日台のスタッフが協力し、素晴らしい仕上がりとなった」と語った。
「a-Weの夜」大阪で開催 ファン熱狂、デザイナーやミャクミャクも登場
台湾文化イベント「We TAIWAN 台湾文化 in 大阪・関西万博」の一環として、人気キャラクター「a-We」をテーマにした「a-Weの夜」が開催され、約100人のファンが集まった。会場にはa-Weのぬいぐるみやバッジ、自作のグッズを持参する参加者があふれ、熱気に包まれた。 (関連記事: 阿部マリアも来場 台湾文化祭「TAIWAN PLUS 2025」、4日間で来場10万人突破 台湾グルメに行列 | 関連記事をもっと読む )
デザイナー方序中と「ミャクミャク」作者が同席
文化部の王時思政務次長は「a-Weは誕生したばかりの頃はシャイな子どもだったが、今では多くの友達を作り愛される存在になった。今後はロッカーやビューティー系など、さまざまな姿で国際舞台に登場する」と語った。
