独自》北京、台湾光復節を中国の祝日に? 国民党の動きをテコに「両岸共同休日」構想で統一ムード演出か

2025-10-23 13:50
大陸側は10月25日に「台湾光復80周年記念大会」を開催する予定で、習近平氏は慣例を破って直接出席を果たす可能性がある。(写真/AP通信提供)
大陸側は10月25日に「台湾光復80周年記念大会」を開催する予定で、習近平氏は慣例を破って直接出席を果たす可能性がある。(写真/AP通信提供)
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中国共産党第24回4中全会が閉幕した直後、ドナルド・トランプ氏と習近平国家主席による「米中首脳会談」が韓国で開催されるのを前に、中国政府は「台湾光復節」を大々的に記念する動きを強めている。

中国共産党の公式宣伝によれば、今年は抗日戦争の勝利、台湾光復、国際連合創設からそれぞれ80周年にあたる年であり、中国側はメディア報道や両岸交流イベントなどを通じて台湾への主権を強調している。関係筋によると、北京は10月25日の台湾光復節当日に「台湾光復80周年記念大会」を開催し、多数の台湾関係者を招待する予定である。さらに「二つの切り札」を用意しているとされ、対台湾政策における新たなシグナルが注目されている。

節目の年であることから、この記念大会は北京にとって重要な政治イベントと位置づけられている。特に年数が「5」や「10」で区切られる周年は、中国が大規模な記念行事を行う傾向にあるため、今回も両岸関係において大きな意味を持つ場になるとみられる。

習近平氏はこれまで九三軍事パレードや中国建国76周年の式典で台湾問題にほとんど触れておらず、発言しても簡略にとどまってきた。こうした経緯から、各方面では台湾政策に関する重要な発言が10月25日の記念大会でまとめて示されるとの見方が広がっている。

習近平主席が台湾光復を記念するのか?

台湾光復80周年記念大会は10月25日、北京人民大会堂で開催される予定である。国務院台湾事務弁公室(国台弁)の報道官である朱鳳蓮氏は22日の記者会見で「記念大会には台湾同胞を含む各界代表が出席する予定であり、大会の前後には視察・交流活動も実施する」と述べた。朱氏はさらに「台湾光復は抗日戦争勝利の重要な成果であり、両岸の同胞が共に記念すべきものである」と強調した。

国台弁は大会の具体的な規模や形式については明らかにしていないが、すでに台湾関係者に招待状が送られているという。これに対し陸委会は先に「中央および地方の公職者が、中国側主導または中国の主張に呼応する活動に参加することを政府として明確に禁止する」と表明している。これを受け国台弁は、「民進党当局は抗日戦争史実とその勝利の成果を歪曲・否定し、台湾同胞の記念活動参加を脅迫・弾圧している。こうした行為は民族的立場を完全に失っている」と強く反発した。

関係者によれば、北京は今回の記念大会に合わせて「二つの切り札」を準備しているという。第一の策は、記念行事の格上げである。これまで台湾光復記念は中国人民政治協商会議(政協)の主席が主導してきたが、今回は習近平国家主席が自ら登場する可能性があるとされ、最高指導者レベルに引き上げることを検討している。

第二の策は、さらに踏み込んだものである。台湾の中国国民党が今年、光復節を祝日にする法改正を通過させたことを受け、北京側も台湾光復節を中国の法定休日とする案を検討しているとの情報がある。両岸が同日に休暇を取り、共同で祝う雰囲気を演出することで、国民党の動きを利用する形になるとみられる。

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