ルーヴル美術館でウジェニーのティアラが盗まれ損傷!1354個のダイヤモンドが散乱、ナポレオン3世の愛の秘密が隠された王冠の行方

「ウジェニーのティアラ」は1855年に製作され、パリ万国博覧会のために作られたもので、戴冠式用ではなかった。このティアラは、フランス皇室の富と工芸の頂点を象徴するもので、金の鷲を基にし、1354個のダイヤモンドと56個のエメラルドが装飾されている。頂上にはダイヤモンドで覆われた球体「モンド」があり、さらにダイヤモンドの十字架で飾られている。(写真/Xより)
「ウジェニーのティアラ」は1855年に製作され、パリ万国博覧会のために作られたもので、戴冠式用ではなかった。このティアラは、フランス皇室の富と工芸の頂点を象徴するもので、金の鷲を基にし、1354個のダイヤモンドと56個のエメラルドが装飾されている。頂上にはダイヤモンドで覆われた球体「モンド」があり、さらにダイヤモンドの十字架で飾られている。(写真/Xより)
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パリのルーヴル美術館で19日に発生した宝石盗難事件は、フランスの歴史的な皇室の貴重な宝物を盗まれたことで大きな注目を集めている。特に注目されたのは「ウジェニー王冠」であり、フランス文化大臣のラシダ・ダティ氏は、盗まれた一部の宝物が博物館外で発見されたこと、そしてその際に損傷を受けていたことを確認した。この王冠は19世紀のフランス皇室に属する貴重な品で、フランス帝国の歴史的な象徴とも言われ、その価値は金銭的に評価することはできないとされている。複数のフランスメディアによると、王冠は逃走経路上に放置され、その後発見された時にはすでに一部が損傷していたが、それでもこの王冠は最も文化的価値が高い宝石と見なされている。

ルーヴル美術館ウジェニー王冠の歴史とは

「ウジェニー王冠」の持ち主は、ナポレオン3世の皇后であるウジェニー・ド・モンティホ(Eugénie de Montijo)で、彼女は1826年にスペイン・グラナダで生まれ、1853年にナポレオン3世と結婚してフランス皇后となり、第二帝政時代にその地位を築いた。この王冠は1855年に製作され、当初はフランス皇室の戴冠式のためではなく、その年のパリ万博に合わせて作られた。王冠は金の鷲を基盤に、1354個のダイヤモンドと56個のエメラルドが施され、頂上にはダイヤモンドで覆われた球体「モンド」があり、十字架を象るデザインで戴冠されている。

ウジェニー王冠の芸術的価値

この王冠は、フランス皇室の優雅さを象徴する美しいデザインで、アーチ部分に施された宝石はヤシの葉のパターンとして配置され、金色と深紅のビロードがその豪華さを際立たせている。ルーヴル美術館の公式資料によれば、この王冠は「アポロギャラリー」で展示されており、第二帝政時代の象徴的な宝飾品として多くの注目を集めてきた。単なる王冠ではなく、フランスの宝飾工芸の頂点を象徴するもので、19日まで展示されていた他の皇室宝飾と共に高い評価を得ていた。

ウジェニー王冠の評価とは

この王冠の価値は単に宝石としての価値にとどまらず、その歴史的・文化的背景に由来している。パリの著名オークションハウスの責任者であるアレクサンドル・ジケロ氏は、「この王冠はフランス文化遺産の一部であり、その価値は金銭で測れるものではない」と強調した。公式な評価はまだ発表されていないが、フランスメディアではオークション業界での評価として、数千万ユーロに相当するだろうと伝えられている。王冠は一部損傷を受けているが、それでも国家級の文化財であり、いかなる破損も取り返しのつかない損失をもたらす可能性がある。フランス警察は現在、専門のチームを編成し、盗賊の身元とその行方を追っている。

ウジェニー王冠の盗難事件と損傷

盗難事件は現地時間の朝9時30分に発生した。犯人は工事中の死角をうまく利用し、ゴンドラリフトを使ってルーヴル美術館の上階展示室に侵入した。警察によると、この犯行は「非常にプロフェッショナル」で、わずか7分間で9つの皇室宝飾を盗み出したという。その後、ウジェニー王冠は博物館外に放置され、発見時にはダイヤモンドと金属の一部が外れ、構造が損なわれていた。フランス警察は、王冠の損傷状態を調査し、その修復を進めている。

ウジェニー王冠の今後

「ウジェニー王冠」は1988年に個人コレクターによって購入され、その後ルーヴル美術館に寄贈され、長年にわたり展示されてきた。この王冠は、皇室の華やかな時代を象徴する貴重な宝物であり、今回の盗難事件によって損傷を受けたことは、修復と再公開を期待する声が高まっている。フランス政府は修復作業を国家レベルで行い、すべての展示品に対する安全基準を再評価する方針を示している。「単に王冠を修復するのではなく、フランス文化の象徴を修復することだ」と文化省の関係者は強調している。

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編集:田中佳奈

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