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独占》米国、国民党関係者と「鄭麗文現象」をめぐり意見交換を開始 彼女は「国民党の蔡英文」か、それとも「台湾版トランプ」か 鄭麗文氏が国民党主席に当選し、政治的な人気が高まっている。彼女の今後の展開についての議論も増えており、中には鄭氏を「国民党の蔡英文」と例える声もある。(写真/顏麟宇撮影)
台湾では、鄭麗文氏が中国国民党の新主席に選出された。民進党出身でありながら最終的に国民党主席となった歩みは、かつて国民党政府で勤務し、その後に民進党を率いて全面与党化させた蔡英文氏の初期経歴を想起させる。選出直後から、民間では「国民党の蔡英文」になり得るのかが話題になっている。『風傳媒』によれば、鄭氏は米側にとって“白紙”に近い存在で、当選後、米在台協会(AIT)は青陣営(国民党)の対外担当者らと面会を始め、鄭氏の理解を進めている。
前CSIS(戦略国際問題研究所)訪問学者の黃裕鈞氏は『風傳 媒』に対し、蔡氏が民進党の独派スペクトラムを広げ、若い世代全体の支持を得たように、鄭氏がそれを実現できれば望ましいと述べた。
黃氏はさらに、鄭氏はむしろ米国のトランプ氏に近いと指摘。台頭の過程はいずれも反エスタブリッシュメントの力を背景にしており、トランプ氏の背後に「MAGA(アメリカを再び偉大に)」層がいたように、鄭氏の背後には国民党内の揺るぎない統派勢力があるという(当時、米大統領選にロシア介入があったとの指摘も一時浮上した)。
もっとも黃氏は、トランプ氏の要諦はMAGAの力を効果的に活用しつつ、政策自体はMAGAに振り回されなかった点にあると分析。ゆえに鄭氏も「統派の党首」にとどまる必要はなく、米側も彼女を単なる過渡的リーダーとは見なさないだろうとした。
米側が「鄭麗文現象」を分析 黃氏によれば、米側は現時点で鄭氏の実像を十分に把握しておらず、朱立倫氏が主席だった時期ほど理解が深くはない。このため新主席就任を受け、今後は接触を強化する見通しだ。まず確認したいのは、今回の当選が「個人要因」によるのか、あるいは背後に特殊な「現象」があってその受け皿となったのか、という点。鄭氏が単独で潮流を牽引したのか、それとも後方の勢力が力を投射したのか――米側は、鄭氏が象徴する力学を見極めようとしている。
鄭麗文氏は「国民党の蔡英文」か、それとも「国民党のトランプ」か――前CSIS訪問学者の黄裕鈞氏。(写真/柯承惠撮影)
黃氏はとりわけ、鄭氏の得票率が5割超で、党内における正当性が極めて高いことを指摘。加えて習近平総書記からの祝電が届いた事実にも触れた。国民党の特異な歴史的背景を踏まえると、鄭氏は両岸関係で一定の「歴史的使命」を帯びる可能性があり、祝電は彼女が今後の卓上の一プレーヤーであることを示すサインだという。ゆえに米国は、鄭氏を「理解し、対話すべき相手」と捉えるはずだと述べた。
さらに黃氏は、鄭氏が自民党新総裁・高市早苗氏との会談に前向きな姿勢を示した点に言及。日本は米国にとってアジア太平洋の最重要同盟国であり、この動きは米側が鄭氏を「対話可能な相手」とみなす一因になるだろうと述べた。
鄭麗文、米側に「過渡期の党首」とは見なされず 黃裕鈞氏は、米側の関心はまず鄭麗文氏の今後の路線に向かうと指摘する。両岸関係をどう再構築するのか、党内の多様な声をどう束ねるのか――もし郝龍斌氏が主席になっていれば答えは読みやすかったが、ワシントンにとって鄭氏は依然“白紙”に近い。ただし、米国は鄭氏を「過渡期の党首」とは見ておらず、彼女の登場は偶然ではなく新たな潮流の始まりになり得る、との見方があるという。
また黃氏は、鄭氏の利害が米国の利益と一致するかは、米大統領トランプ氏が北京との交渉の場で「どの順でカードを切るか」に左右されると述べる。北京側が最も重視するのは「台湾問題に米国が介入しない」ことで、現時点で賴氏の米経由通過を認めていない、という文脈を挙げた。
米側は鄭麗文氏の政策の行方に関心を寄せる一方、トランプ米大統領は台湾側の予期せぬ一手を望んでいないとされる。(写真/AP通信)
米側は鄭氏の政策方向に強い関心を抱くが、トランプ氏は台湾側に“意外な一手”を打たれることを望んでいない。黃氏は、米国は台湾で予測不可能な動きが起きることを避けたい意向が強く、台湾側の主要外交プレイヤーの利害が米国と完全に一致しなくとも、少なくとも政策発言は米国が読めるものであってほしい――それがリスク回避につながると指摘する。ゆえに米国は国民党の新リーダー像を見極め、可視化できるリスク管理に努めようとしている。
鄭麗文は「国民党の蔡英文」となれるのか 黃氏は、蔡英文氏が民進党に入った当初、基盤支持層は必ずしも彼女を重視しておらず、賴清徳氏のようなリーダー像が望まれていたと回想する。しかし蔡氏は段階的に威信を築いた。
鄭氏が「国民党の蔡英文」になり得るか。焦点はまず2028年の挑戦機会だが、現時点でそこへ一直線という状況ではない、と黃氏はみる。ただ、鄭氏が国民党を第一党に押し上げることができれば、蔡氏と相似の役割を担うことになるだろう。党の実質的な変革に踏み込む可能性もある。
蔡英文氏は国民党政権でキャリアを積んだのち、民進党を率いて全面与党化を実現。緑系の経歴を持つ鄭麗文氏が「国民党の蔡英文」になり得るか、注目が集まっている。(写真/呉逸驊撮影)
そのためには、統派色だけでは不十分で、中道・主流へ舵を戻すべきだと黃氏。鄭氏の来歴は伝統的な国民党員と大きく異なり、そのリーダーシップは党に新しい変化をもたらし得る、と期待を示す。 蔡氏自身も、民進党に参加した際に党を“より独派へ”寄せるのではなく、20%のコア支持層に依存しない組織へと転換し、若い世代の幅広い支持を獲得した。現実的かつ理性的な運営で「多くに支持される党」へ変えた点を、黃氏は参照軸に挙げる。
鄭麗文は「国民党のトランプ」になれるか 鄭氏が党勢を拡大できれば、2028年総統選を目指す台中市長・盧秀燕氏ら有力者にとっても追い風になる、と黃氏。期待すべきは「国民党の蔡英文」としての成長であり、統派の枠にとどまらないことだという。なお、米国が鄭氏を2028年の国民党候補として現時点で想定するのは時期尚早で、彼女自身が出馬する局面にはないだろうとみている。
一方で、鄭氏を「台湾のトランプ」「国民党のトランプ」に準える見立ても可能だと黃氏は言う。反体制の支持を背景に台頭した点はトランプ氏と共通し、トランプ氏にMAGA層がいたように、鄭氏には党内の堅固な統派基盤がある。ただしトランプ氏はMAGAに振り回されず、必要に応じて力を動員した。政権運営に独自のビジョンを持っていた点を踏まえ、鄭氏にも同様の進路を期待する、と述べた。
さらに黃氏は、トランプ氏が“庶民経済”に通じた人物として信頼を得て成長と対外関係拡大を図ったことは、かつての国民党の強みでもあったと指摘。両岸の衝突回避を望む有権者心理の根底には「安定した生活」への志向があり、国民党がそれを実現できると有権者が感じれば、「経済ブランド」は再び輝き得るという。米側が最も注視するのは、鄭氏が国内でどれだけ支持を積み上げられるか。その支持率こそが、彼女の政治的資本と重要度を測る物差しになる、と結んだ。
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