第46回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)で審査員特別賞を受賞した林真子監督の作品『これらが全てFantasyだったあの頃。』が、2025年9月5日(金)より東京・下北沢のシモキタ-エキマエ-シネマ「K2」にて劇場公開されることが決定した。

公開決定と同時に、ポスタービジュアルと特報映像も解禁され、映画ファンや業界関係者の間で早くも注目を集めている。最終審査員を務めた吉田恵輔監督は本作について、「映画を目指す者なら絶対に観るべき作品」と高く評価し、以下のようなコメントを寄せた。
「映画への初期衝動、葛藤、痛み、喜び、夢が全て詰まっている。楽しいだけでは語れない映画制作。それでも価値ある世界。溢れる情熱とアイデア。若き才能に感動と感謝。」
映画制作のリアルな側面と、それでも映画に惹かれる若き才能の情熱に対する共感を示している。
監督の林氏は、本作の着想について「主演の塚田愛実さんの『この先が絶望とわかっていながら希望いっぱいに飛び込みたい』という言葉と、私自身の『夢を抱くことすら許されないのではないか?』という葛藤から生まれました」と明かし、創作の背景にある祈りと衝動について真摯に語っている。
また、主演および企画を務めた塚田氏も、「終わりかけと再生、夢見た世界は夢なのか。それでも進む、この先が絶望とわかっていても──」と、作品に込めた想いを詩的に表現した。
第47回PFF、史上2番目の応募数を記録 10代の応募は前年比156%に急増
一方、2025年9月6日(土)より開催される「第47回ぴあフィルムフェスティバル」に向けた準備も進んでおり、自主映画コンペティション「PFFアワード2025」には、過去2番目に多い795本の応募があった。前年から103本増加しており、特に10代の応募数は前年比156%に達した。

PFF事務局によると、出品料の無料化などの施策が若年層の参加を後押ししており、10代のクリエイターが1人で7作品を応募するケースもあるなど、新世代の勢いが顕著に表れている。
年齢層別では、19歳以下から67本(+24本)、25歳以下から354本(+39本)の応募があり、平均年齢は30.3歳。最年少は13歳、最年長は72歳と、幅広い世代からのエントリーがあった。

入選作品は7月上旬に発表され、8月初旬には映画祭全体の上映ラインナップが公開される予定。映画祭は9月6日から20日まで、東京・国立映画アーカイブにて開催され、「PFFアワード2025」各賞の発表は9月19日(金)の表彰式にて行われる。
今年もPFFは、「映画の新しい才能の発見と育成」という理念のもと、世代や国境を超えて才能と出会う場として注目を集めており、オンライン配信も予定されている。
編集:梅木奈実 (関連記事: 第21回大阪アジアン映画祭、全66作品が決定 台湾・香港・韓国の注目作が集結へ | 関連記事をもっと読む )
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