2025年の大阪・関西万博にあわせて、初めて夏季に開催される第21回大阪アジアン映画祭(OAFF2025)の全上映作品が、8月1日に発表された。映画祭は8月29日から9月7日までの10日間にわたり開催され、20の国と地域から選ばれた66作品が上映される。
今年は、世界初上映22本、海外初上映5本、アジア初上映3本、日本初上映22本がラインナップされ、例年以上に国際色豊かな内容となっている。チケットは8月20日(水)から順次販売が開始される予定。

現代アジアの息吹を感じるコンペ部門
コンペティション部門には、現代中国の若者の内面や孤独を描いた『ワン・ガール・インフィニット』『世界日の出の時』『最後の夏』などが選出された。タイの人気俳優ビルキンとPPクリットが主演する、GDH製作の話題作『紅い封筒』も注目作のひとつ。台湾からは、事実婚のカップルが妊娠、キャリア、結婚の現実に向き合う『私たちの意外な勇気』が出品される。
韓国からは、2022年に『おひとりさま族』でグランプリを受賞したホン・ソンウン監督によるゾンビ映画『寒いのが好き』、フィリピンからは夢と現実のはざまで揺れる体操少女を描いた『サンシャイン』がエントリー。日本からは、チベット僧侶の内面の葛藤を描いた『シャンバラストーリー』が上映される。
多様性を映し出す特別注視部門・インディ部門
特別注視部門では、ベルリン国際映画祭で話題を集めた『クィアパノラマ』(香港・アメリカ)や、労働と社会意識の目覚めを描く『MA - 沈黙の叫び』(ミャンマー・韓国など)、タイの復讐劇『トゥームウォッチャー』など全12作品を紹介。
インディ・フォーラム部門では、カンヌ国際映画祭でも注目された『ジンジャー・ボーイ』をはじめ、田中未来監督の特集企画が組まれるほか、上野詩織、山城達郎、加藤紗希、磯部鉄平、空音央ら若手監督による20作品がラインナップされている。
台湾・香港の映画文化を特集
特集企画「電影ルネッサンス EXPO 2025」では、国家電影及視聴文化中心(TFAI)が復元した台湾の旧作『ドラゴン・スーパーマン』『進学を拒絶した人生』『さようなら十七歳』『寂寞十七歳』に加え、新進監督による短編『洗』『黒犬』など8作品が上映される。
「Special Focus on Hong Kong EXPO 2025」では、思春期の少女の揺れる感情を繊細に描いた『レッド・キス』、スタンリー・クワン監督による『フルムーン・イン・ニューヨーク』、ツイ・ハーク監督のラブコメディ『上海ブルース』など全5作品が上映される。
その他の特別上映も
特別招待作品には、『フレイムユニオン 最強殺し屋伝説国岡[私闘編]』が登場。また、神戸女学院大学国際学部の協賛によるインド映画『晩秋』、VIPO Film Awardの成果として製作されたフィリピン映画『ポストハウス』も特別上映される。
さらに大阪・関西万博との連携企画として、大阪市中央公会堂ではモンゴル、インド、ベトナムの人気作を無料上映する「アジア映画傑作選」が行われる。観覧には事前申込が必要となる。
編集:梅木奈実 (関連記事: メイデイ阿信が製作 台湾映画『私たちの思いがけない勇気』が大阪アジアン映画祭にノミネート | 関連記事をもっと読む )
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