2025年8月29日(金)から9月7日(日)にかけて開催される第21回大阪アジアン映画祭(Osaka Asian Film Festival、以下 OAFF)は、クロージング作品としてシンガポール映画『好い子(原題:好孩子/英題:A Good Child)』を選出した。上映は9月7日(日)夜、ABCホールで行われ、本作が世界初上映となる。
『好い子(よいこ)』が世界初上映決定、9月7日ABCホールで

本作は、父の死をきっかけに実家に戻ったドラァグクイーンの阿好(アーハオ)が、認知症を患う母と再会し、家族の絆を再構築していく姿を描いたヒューマンドラマ。母親が阿好を「娘」と信じ込んでいることから始まる小さな“嘘”が、やがて家族の確執を解きほぐし、新たな時間とともに阿好自身が本当の「自分」を見つけていく過程が描かれる。
監督は、アイデンティティや社会的テーマを軸にした作品で注目を集めるシンガポールの新鋭ワン・グォシン(王國燊)。2020年に金馬奨で注目を浴びた『男兒王』などを手がけ、アジアの次世代を代表する監督の一人とされている。
キャストには、リッチー・コー、ホン・フイファン、ジョニー・ルーなど実力派俳優が名を連ねる。中でも母親役のホン・フイファンは、『花路阿朱媽』で金馬奨主演女優賞にノミネートされた経歴を持ち、本作でも圧巻の演技を見せている。
大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクターの暉峻創三氏は「異質な存在や伝統にそぐわないものを排除しようとする現代社会において、本作は多くの人に届けたい重要な作品です」と語る。
第21回の大阪アジアン映画祭は、大阪・関西万博に合わせた特別回として開催され、オープニング・クロージングの両作品が世界初上映となる画期的な構成が予定されている。会期中はABCホール、テアトル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館、大阪市中央公会堂などで、アジア各国の最新作や注目作が上映される。
全ラインナップは7月下旬に発表予定。詳細は公式サイト(https://oaff.jp)にて順次公開される。また、8月以降には大阪・東京で暉峻氏によるメディア取材対応も行われる予定だ。
編集:梅木奈実 (関連記事: 第21回大阪アジアン映画祭、全66作品が決定 台湾・香港・韓国の注目作が集結へ | 関連記事をもっと読む )
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