中国の官製メディア「CCTV軍事」は、最近、中国のステルス戦闘機J-20が対馬海峡を無事に飛行したと報じた。このニュースは多くの関心を集め、特にその飛行ルートが米日韓3カ国のレーダーが重なる重要なエリアであるため、その探知が避けられた理由について疑問の声が上がっている。軍事データベースと世界特種部隊は、この問題について3つの可能性を分析している。もしこれが事実であれば、中国空軍の戦力は大きく向上したことを示すことになる。
南華早報によると、中国のCCTVは最近放送された建軍節特番で、J-20戦闘機がバシー海峡や対馬海峡を飛行し、パトロールを行ったと伝えた。この部隊はJ-20を最初に配備したユニットの1つであり、今回のミッションでも重要な役割を果たしたと推測されている。
報道によると、対馬海峡は東シナ海と日本海を結ぶ重要な航路であり、同時に米軍のTHAADシステムと日米韓のレーダーネットワークが重なる戦略的なエリアだ。しかし、今回J-20が飛行したにもかかわらず、米日韓のレーダーによる探知がなかった可能性が指摘されており、この点について疑問が呈されている。
J-20が米日韓のレーダー網をかいくぐった?3つの可能性
軍事データベースは、この状況に関して3つの主な可能性を指摘している。
第一の可能性として、今回の報道が実際には中国の情報戦や心理的プロパガンダの一環である可能性があると指摘されている。レーダーの軌跡や写真、第三者による裏付けが欠如しているため、これは単なる情報戦かもしれないという見方だ。この場合、国内では民族自信を高め、国外では競争相手に圧力をかける意図があるとされている。
第二の可能性として、もし中国の報道が事実であれば、J-20のステルス性能が米日韓の防空網を突破する能力を持っていることを意味する。対馬海峡は、米国、日韓の陸上、海上、早期警戒機などの多層的なレーダーの監視範囲に含まれており、もし戦闘機がこれを避けて通過できたなら、中国空軍の戦力が飛躍的に進歩した証拠となる。ただし、この場合、各国は防御体制の再評価を迫られ、新たな軍備競争を引き起こす可能性がある。
第三の可能性として、米日韓の情報収集システムがJ-20の航跡を把握しているが、それを公開していない可能性も考えられる。軍事機密保持や自国のレーダー能力の詳細を公開しないために、わざと外部に情報を出さなかった可能性がある。このような敏感な情報は、通常、軍事機密として取り扱われ、公開されることはないとされている。
今回のJ-20戦闘機の飛行が事実であるならば、中国空軍の戦力が大きく向上したことを示すものであり、地域の軍事バランスに大きな影響を与える可能性がある。米日韓のレーダー網が有効に機能していない場合、これからの防空体制の再構築が求められるだろう。
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