風傳媒取材》横須賀に米最新鋭駆逐艦が到着 台湾有事をにらみ最強戦力が集結

2025-08-08 15:35
横須賀を母港とする米国の核動力空母ジョージ・ワシントン号(写真)は、米軍太平洋艦隊の中核戦力の一つである。(写真/楊舒媚撮影)
横須賀を母港とする米国の核動力空母ジョージ・ワシントン号(写真)は、米軍太平洋艦隊の中核戦力の一つである。(写真/楊舒媚撮影)
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神奈川県にあるアメリカの横須賀基地は米日安保の象徴であり、台湾海峡での戦争が発生した場合、非常に重要な役割を担う拠点だ。ここに集まる艦船には、米日最精鋭の武器が並んでおり、横須賀の戦力はまさに圧巻だ。『風傳媒』は現地取材を行い、横須賀基地で見るべき重要な艦船について取材した。

横須賀基地はアメリカ海軍第7艦隊が駐留しており、東京ドーム50個分の広さに2万人以上の米軍とその家族が生活している。基地内には、日本の潜水艦司令部も設置されており、周辺の海域にはイージス艦や潜水艦が停泊している。

20250710-停在横須賀の親潮級潜艦。(楊舒媚撮影)
米海軍第7艦隊と日本自衛隊が駐留する横須賀基地には、重要な日米の潜水艦が停泊している。写真は横須賀の親潮級潜艦。(写真/楊舒媚撮影)

米軍新鋭の潜伏神盾駆逐艦「モンスール号」が横須賀に到着、台湾巡航の可能性も

横須賀は、世界的にも有名な軍港として、その威信を誇っている。隣接する公園では、若者たちが「潜水艦に蹴られる」と表現するほど、潜水艦が海岸近くに停泊しているのが見られる。一般市民も、地元企業「トライアングル社」の運営する「横須賀軍港巡り」に参加して横須賀港を訪れることができる。台湾の軍事基地と比較して、横須賀はむしろ「無防備」に見えるかもしれない。

横須賀の潜水艦エリアには、親潮級などの潜水艦が並び、その中に艦番号「1001」の最新鋭神盾駆逐艦「モンスール号(USSMichael Monsoor)」も停泊している。モンスール号は2025年7月7日に横須賀港に到着した。この朱瓦特級2号艦は世界で3隻のみの存在で、通常はサンディエゴ基地に配備されており、接近するのは珍しいことだ。

モンスール号は多任務作戦と高い潜伏性能を誇り、レーダー反射面積は船体の50分の1に過ぎないため、被発見リスクを大幅に減少させている。この駆逐艦は、台湾メディアによれば、将来的に台湾近海を巡航する可能性もあると言われている。

モンスール号は垂直発射システム(VLS)を搭載しており、トマホーク巡航ミサイルなどの多くの武器を発射できる。さらに、艦首には特徴的な「AGS先進艦砲システム(Advanced Gun System)」が搭載されており、155ミリ砲は極超音速弾を発射し、速度は5マッハを超える。この砲弾は、可変飛行軌跡と高精度を誇り、多くの迎撃システムを突破することができる。ただし、この先進技術は高コストが伴い、1発の砲弾が1億円にも達する。モンスール号の建造費用は5000億円を超えており、従来の神盾艦の建造コストを大きく上回っている。

同じ予算で日本の摩耶級神盾艦を3隻建造できることを考えると、アメリカ海軍は当初32隻の建造を計画していたが、最終的に製造されたのは3隻だけだった。この艦は、高技術と高コストを併せ持つ代表的な例だ。アメリカ海軍によると、モンスール号は2025年に戦闘システムの起動を完了し、2026年には造船所に戻り、高超音速ミサイル発射モジュールの取り付けが行われる予定だ。これからは、インド太平洋地域での常駐任務に就くことが決まっているが、アメリカ海軍の公式配置状況はまだ未確認だ。

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