ロシアのカムチャツカ半島で7月30日に発生したマグニチュード8.8の大地震により、アメリカ、日本および台湾は相次いで津波警報を発令し、世界中で大きな注目を浴びた。一方、バージニア工科大学が本年(2025年)初めに発表した研究では、アメリカ西部沖に位置する「カスカディア沈み込み帯(Cascadia Subduction Zone)」が大規模地震を引き起こし、超巨大津波によって西部沿岸の都市に甚大な被害をもたらす恐れがあることが指摘されている。
カスカディア沈み込み帯とはどこか?
「カスカディア沈み込み帯」は太平洋プレートが北アメリカプレートの下に沈み込むことで形成された地震帯として知られ、太平洋プレート、フアンデフカプレートおよび北アメリカプレートの中間に位置する。
この地域の最も大きな断層の一つである「カスカディア沈み込み帯」の範囲は、カナダのバンクーバー島(Vancouver Island)北部からカリフォルニア州北部のメンドシノ岬(Cape Mendocino)まで600マイル(約965キロメートル)にわたって延びており、台湾(南北の長さ約394キロメートル)の約2.4倍の長さである。
「マグニチュード8以上の強震」発生確率は15%
バージニア工科大学の4月の研究によれば、1700年1月26日にマグニチュード8.7から9.2の大地震が発生したカスカディア沈み込み帯では、約200年から800年ごとに11回の大地震が発生していることが明らかになった。
つまり、すでに325年が経過しているカスカディア沈み込み帯は新たな大地震サイクルを迎える可能性がある。今後50年以内にマグニチュード8以上の強震が発生する確率は15%に上ると推測されている。
アメリカ「西部沿岸地域」に甚大な被害の恐れ
カスカディア沈み込み帯がアメリカ西部の沖合に位置しているため、もし大規模な地震が発生すれば、真っ先に影響を受けるのはシアトルやポートランドといった大都市であり、人口密集地帯であるカリフォルニア州北部、ワシントン州南部、およびオレゴン州北部は深刻な被害に見舞われる恐れがある。
関連研究が決して杞憂ではないと強調するバージニア工科大学地球科学部の助教であるティナ・デュラ氏は、気候変動が大地震発生のリスクを高めると指摘し、関係機関は危険要因を長期的な計画に組み入れる必要があると呼びかけている。
注目すべき点として、専門家たちはアメリカ西海岸の都市が甚大な被害を受けるだけではなく、沿岸の陸地が最大6.5フィート(約2メートル)も沈下し、数百フィートの高さの超巨大津波を伴う可能性があるとし、沿岸地域に影響を及ぼすとの見方を示している。
編集:柄澤南 (関連記事: 【速報】台湾東部沖でM6.2の地震 台北・高雄でも揺れ観測 今後の余震に警戒 | 関連記事をもっと読む )
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