2025年7月18日、日本記者クラブで「『コメ』はいつまで主食か―価格急騰を考える」と題する会見が開催され、株式会社シブヤ代表取締役の澁谷梨絵氏と小池精米店代表の小池理雄氏が登壇した。両氏は、昨今のコメ価格高騰と「コメ離れ」をめぐる現場の実感を語った。
澁谷氏は、「今、米が本当に高騰している。『令和の米騒動』と報道されるほどの状態になっている」と述べ、コメを取り巻く状況について「この20年、30年で価格はどんどん下がり続けてきたが、今年はこれまでになく高騰している」と指摘した。また、「過去にあったような価格が上がっている理由が、今年は説明できない」と語り、「現場でも答えられない」ほど状況が読めないと述べた。
さらに、「そもそも米を買う、手に取るという文化が薄れてきている。コメ離れは確実に進んでいる」と危機感を示し、「今年の米が高いからといって、来年以降買われなくなる可能性もある。米文化の継承にも影響が出る」と語った。
一方、小池氏は精米店の現場から「お客さんの第一声が『米が高いですね』になっている」と話し、「以前は5キロ買っていた方が2キロ、1キロに減らしている」とコメの消費量が確実に落ちている実態を紹介。
また、小池氏は「若い人が米を炊かない。料理動画の中でもお米が登場しない」と述べ、家庭における米の存在感の薄れを懸念。「お米を炊くという習慣そのものがなくなってきている」と語った。
両氏は、現場の肌感覚として、価格高騰だけでなく、生活習慣や文化の変化が重なっていることに強く言及。これからのコメ消費や市場の在り方について、深い懸念を示す会見となった。
編集:佐野華美
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