日本全国47都道府県を巡り、観光やグルメ、ライフスタイルをSNSで発信する台湾出身の「Tiffany碰到日本」さん。拠点は東京。誠実かつユーモラスな語り口で現地の魅力を届け、フォロワーの支持を集めている。今回、彼女は《風傳媒》のインタビューに応じ、これまでの歩みと今後の展望について語ってくれた。
小学生時代の旅行が原点――日本への強い憧れ

初めて日本を訪れたのは小学生の時、家族旅行で東京を訪れた際だった。「なんて楽しい場所なんだろう、と感動しました」と振り返る。その後も毎年訪日し、文房具やコスメ、ファッションなどに魅了されたという。
大学進学時は日本語学科を希望したが、両親の反対で台湾大学の会計学科へ。「そんな学科のために育てたんじゃないと言われました」と笑う。それでも独学で日本語能力試験N1に合格し、日本人との交流イベントにも積極的に参加。「語学は環境だけじゃなく、気持ちがあれば学べる」と語る。
台大卒業後、夢を叶えるために早稲田へ留学

「親への説明責任は果たした」と感じた卒業後、早稲田大学の別科に留学。目的は「日本で生活すること」だった。就職活動では黒いリクルートスーツで数百社に応募し、日本のPR会社に就職が決まった。
厳しい職場環境も経験

「初めての職場は、今思えばかなり厳しい環境でした」とTiffanyさんは話す。パワーハラスメントや過度な残業など、想像以上のストレスがあったという。「“あなた、目はついてるの?”なんて言われる日々。でも最初はそれが普通だと思ってたんです」と振り返る。
同じ部署に入った日本人社員は1カ月で「退職代行サービス」を使って辞めてしまったという。「日本にそんなサービスがあるなんて、そのとき初めて知って、衝撃的でした」と驚きを語る。彼女自身は1年間勤務し、「仕事自体は好きだったけど、あの環境では続けられなかった」と明かす。
SNSは「ありのままの自分」から始まった
「最初は日々の記録として始めただけでした。自分らしく、親しみやすく、フォロワーと近い距離感でいたいと思って」とTiffanyさん。企業案件でも「本当に自分が買いたいと思えるものしか紹介しない」と決めている。「おすすめするなら、自分がまた行きたいお店や買いたい物じゃないと意味がない」と語る。
「よく見る“誇張された言葉”も、自分が本当にそう思ったときしか使いません」とTiffanyさんは言う。自身のスタイルに迷いが生じることもあるが、「大事なのはフォロワーの数じゃなく、信頼されること」だと強調した。 (関連記事: 【台湾出身のシンガー・Ayunさんに聞く】東京で音楽を続ける理由とは――「表現できない感情を、歌に乗せて伝えたい」 | 関連記事をもっと読む )
心に残る絶景――奄美大島の魅力

Tiffanyさんが「人生で一度は行ってほしい」と話すのが、鹿児島県の奄美大島。「オーストラリアのグレートバリアリーフにも行ったけど、負けないくらい美しかった」と語る。特に印象深かったのは「伝泊 The Beachfront MIJORA」という宿泊施設。「部屋にはテレビもなく、海を一日中眺められる。日の出から夕日まで、何もせず過ごす贅沢がそこにあった」と目を輝かせた。