東京・高輪で進行中の大規模再開発プロジェクト「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」が街びらきから100日を迎え、未来都市としての取り組みを本格化させている。2026年春のグランドオープン後には、昼間人口約10万人規模の新たな街が誕生し、ビジネス、文化、暮らしの共創を通じて「100年先の心豊かな未来」を創造する実験場となることを目指す。
街区内のビジネス創造拠点「LiSH(Link Scholars’ Hub)」には、すでに100社を超えるスタートアップや大企業の研究開発部門が入居し、交流と共創が広がっている。地球規模の社会課題解決を支援する「高輪地球益ファンド」は、これまでの50億円から最大100億円規模へ拡大。秋田銀行や芙蓉総合リース、西部ホールディングスなどが新たに参画し、Boston Medical Sciencesが開発する大腸がん早期発見システムの、来春開業予定のTHE LINKPILLAR 2内クリニックへの導入も検討されている。
文化分野では、2026年春に開館予定の「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」が、伝統を未来へつなぎ、新しい日本文化を創造・発信する拠点となる。多言語対応や親子鑑賞への配慮に加え、映像と音楽が融合する没入型ライブパフォーマンスや展覧会、飲食体験を通じ、朝から夜まで誰もが文化を楽しめる施設を目指す。また、浜松町・竹芝や東銀座エリアと連携し、ナイトタイムエコノミーの活性化も図る。「LUFTBAUM」での眺望ディナーやJWマリオット・ホテル東京での宿泊、深夜まで開館するMoN Takanawaでの文化体験、駅構内DJイベントなど、多様な夜の過ごし方を提供する。
暮らしの分野では、未来の住まいを提案する住宅が5階フロアに登場。Suicaや街のアセットと連動した新サービスを導入し、個別に街の情報をレコメンドする仕組みやロボット配送サービスなど、街独自の「TAKANAWA INNOVATION PLATFORM」を進化させる。
環境面では、THE LINKPILLAR 1に東日本初となる建物内蔵型バイオガス施設を設置。飲食店から出る食品廃棄物を1日最大4トン再利用し、年間約144トンのCO2削減を目指す。さらに、2026年開業予定のTHE LINKPILLAR 2地下には国内最大級の蓄熱槽を備えたエネルギーセンターを設け、街全体のエネルギーを効率的に管理し、CO2実質ゼロを実現する街づくりを推進する。
加えて、2027年にはMoN Takanawa隣接地に、若手クリエイターやアーティスト向けの賃貸住居・アトリエ施設「CREATIVE CLUB HOMEGROWN」が開業予定。防音性能の高いアトリエやワンルーム住居、交流の場となるコミュニティキッチンを備え、多様な才能が集うクリエイティブハブとなる。
2026年春の本格開業後、TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)は、ビジネス、文化、暮らし、環境、次世代人材育成を融合した未来型都市の象徴として、東京に新たな価値をもたらすことが期待されている。
編集:梅木奈実 (関連記事: 高輪ゲートウェイシティ開業 JR東日本、旧品川車両基地跡に日本最大級の未来都市 | 関連記事をもっと読む )
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