トランプ関税に苦戦 台湾、関税引き下げ狙い巨額ロビー 頼清徳政権が直面する「想定外の壁」

2025-08-11 14:53
(画像/AI生成)
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トランプ政権で国務省スタッフを務めたクリスチャン・ウィートン氏が「台湾はどのようにしてトランプを失ったか」という論考を発表し、台湾政界で波紋を呼んでいる。ウィートン氏は、頼清徳政権の外交対応を相次いで批判し、「最高の外交官」と称された蕭美琴副総統についても、その評価は過大だと指摘した。これらの見解がトランプ陣営の本音をどこまで反映しているかは不明だが、台湾国内では議論が広がっている。さらに、民進党政権が毎月6万ドル(約885万円)を投じてロビー団体を雇っているにもかかわらず、成果は乏しいとの声も出ている。

米政治専門メディア《Politico》は、9日の長文記事で、トランプ政権が「対等な関税」政策で世界貿易の再構築を進めるなか、多くの国がトランプと関係を持つロビイストを起用し、数千万ドル規模の費用を投じて経済的打撃を回避しようとしていると報じた。しかし、その試みはほとんど成果を上げていないという。長年ワシントンで通用してきたロビー戦術が、今回は効果を発揮していない実態が浮き彫りになった。

《Politico》によれば、トランプ氏が2025年の大統領選出馬を表明して以降、少なくとも30カ国がトランプとつながるロビイストを雇用した。日本や韓国といった主要貿易国から、ボスニアやエクアドルのような小国まで、各国が共通して直面する課題は関税回避だ。だが、米印戦略パートナーシップフォーラムのムケシュ・アギCEOは「現行のワシントン指導層の手法は伝統を覆すもので、これはビジネスにとどまらず外交や交渉全般に関わる。旧来の影響力行使モデルは通用しないようだ」と述べ、従来型ロビー戦術の限界を指摘した。

負の事例一:インド

最も大きな打撃を受けた国の一つがインドだ。インドは今年4月、トランプ大統領の長年の顧問ジェイソン・ミラー氏を起用した。しかし過去2週間で、トランプ政権による関税引き上げの影響を直接受け、税率は驚くべきことに50%まで上昇した。米司法省に提出された資料によると、インドはミラー氏と年間180万ドル(約2億6,500万円)の契約を結び、「戦略的助言、戦術計画、政府関係支援」に加え、イメージ管理や広報活動を依頼していたという。ミラー氏側からのコメントは得られていない。

負の事例二:カナダ

カナダも同様に、各州が多額の費用を投じてワシントンのロビイストを雇ったが、関税引き上げを免れることはできなかった。《Politico》によれば、カナダ国会顧問のロビーチームはオンタリオ州やアルバータ州を代表し、複数の共和党議員やオクラホマ州知事ケヴィン・スティット氏との会合を設定。さらに、エネルギー産業の中心地であるサスカチュワン州やアルバータ州の代表として、ルイジアナ州知事ジェフ・ランドリー氏らとの接触も試みた。

今年2月には、カナダの州知事らがCheckmate政府関係会社を雇い、ワシントン訪問の貿易代表団を立ち上げる協力を依頼。この会社はトランプ前顧問チェス・マクドウェル氏が率いており、トランプ2024年選挙合同議長の息子も雇用している。報酬は8万5,000ドル(約1,330万円)で、ホワイトハウス副首席ジェームズ・ブレア氏や人事担当ディレクターのセルジオ・ゴール氏との面会が手配された。

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