詐欺組織の首謀者が所有していたガレージの実態　総額約314億円の超高級車26台を押収　プリンス・ホールディング・グループ創業者・陳志氏の名も

カンボジアのプリンス・グループ会長、陳志氏が詐欺・マネーロンダリング関与の疑い　台湾でスーパーカー26台を押収

カンボジアのプリンス・ホールディング・グループ（Prince Holding Group）会長、陳志（チェン・ジー）氏が国際的な詐欺およびマネーロンダリング事件に関与した疑いで捜査を受けている。台湾の特別捜査チームは、陳氏が所有するとみられる26台の高級車を押収。その総額は64億台湾元（約314億円）に上るとされる。押収車両のラインナップは、まるで「世界スーパーカー博物館」。ブガッティ・シロン（Bugatti Chiron）を筆頭に、マクラーレンP1、フェラーリ・ラフェラーリ、ポルシェ918スパイダー、ランボルギーニ・ウルスなど、世界の名車がずらりと並ぶ。その中でもひときわ注目を集めるのが、台湾でわずか2台しか存在しないという“山豬王”ことブガッティ・シロンだ。

陳志氏のガレージはまさに「走る美術館」

報道によると、陳氏は海外資金を使って複数の限定モデルを購入。以下は押収された主な車両の一部である。 （関連記事： プリンス・グループ再燃──マカオの大物「崩牙駒」発の詐欺ネットワーク、制裁5年後に「愛弟子企業」が台湾で復活 ｜ 関連記事をもっと読む ）

ブガッティ・シロン（通称「山豬王」）／約2億元（約9億8,000万円）：

陳志氏のガレージで最も注目を集めるのが、ブガッティ・シロン「山豬王」だ。長らく所有者不詳とされてきたが、今回の押収で持ち主が明らかになった。

フェラーリ・モンツァSP2／約8,500万元（約4億1,600万円）

フェラーリ・ラフェラーリ、マクラーレンP1、ポルシェ918スパイダー——「スーパーカー三神獣」が一堂に集結

フェラーリ・ラフェラーリ／約7,700万元（約3億7,700万円）

マクラーレンP1／約4,200万元（約2億500万円）

ポルシェ918スパイダー／約4,321万元（約2億1,200万円）

マクラーレン・セナLM／約1億1,000万元（約5億3,900万円）

ランボルギーニ・ウルス／約1,000万元（約4,900万円）

ポルシェ992ターボ／約1,300万元（約6,400万円）

ポルシェ・タイカン／約500万元（約2,450万円）

ポルシェ992 GT3 RS／約1,400万元（約6,900万円）

ポルシェ・ケイマンGT4 RS／約800万元（約3,900万円）

フェラーリSF90ストラダーレ／約2,385万元（約1億1,700万円）

ロールス・ロイス・ファントム／約4,000万元（約1億9,600万円）

これらの“フラッグシップ級”車両だけでも総額64億台湾元（約314億円）を超える。さらに他の希少モデルや限定車を加えれば、総額は100億台湾元（約490億円）を超えるとみられる。これらの車は台北市の高級住宅「和平大苑」の地下駐車場に保管されていたが、現在はすべて押収され、陳氏のかつての華やかな生活は幕を閉じた。 （関連記事： プリンス・グループ再燃──マカオの大物「崩牙駒」発の詐欺ネットワーク、制裁5年後に「愛弟子企業」が台湾で復活 ｜ 関連記事をもっと読む ）

世界限定500台のスーパーカーの王者「山豬王」ブガッティ・シロン

世界限定500台のブガッティ・シロンは、車好きの間で“山豬王”の愛称で呼ばれるハイパーカーだ。8.0リッターW16型クワッドターボエンジンを搭載し、最高出力は1,500馬力。0〜100km/h加速はわずか2.5秒、最高速度は時速420kmに達する。さらに「0〜400km加速から完全停止まで42秒」という世界記録も保持している。

空力を重視したボディライン、カーボンファイバー製のボディ、デュアルLEDテールなど、細部に至るまで究極の職人技が凝縮されている。極速モードを作動させるためには“専用の2本目の鍵”が必要とされ、希少性と難易度の高さが所有者のステータスを象徴している。

台湾に2台しかないブガッティ、その1台が押収対象に

世界で500台限定のブガッティ・シロンはすでに完売。台湾では2台しか登録されておらず、そのうちの1台が今回押収された陳氏所有の車両だ。台湾の道路事情や税制を考慮すれば、この車を所有すること自体が“究極の富の象徴”と言える。

豪華の果てに待つのは鉄格子

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​編集：田中佳奈

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