日本・東京で、未成年者を巻き込んだ国際的な人身売買事件が発覚した。事件は現地メディアや世論に大きな衝撃を与えたほか、被害者がタイ出身であることから、バンコク当局も深い関心を示している。東京都文京区湯島の老朽化した雑居ビル内にある個室マッサージ店が、12歳のタイ人少女を違法に雇用し、性的サービスを伴う風俗業務に従事させていたことが明らかになった。警視庁は、店舗経営者の細野正之容疑者と、管理を担当していたタイ国籍の従業員のホムチャン・キッタヤーポーン容疑者を逮捕した。
日本メディアの報道によると、マッサージ店の店主細野正之容疑者は、6月から7月の間に、少女が15歳未満であると知りながら、マッサージなどの性風俗接客業務に従事させていたと疑われている。この年齢で働くこと自体がすでに違法であり、さらにグレーゾーンの性風俗産業において、少女はわずか1ヶ月で60人の男性客を接待していたことが分かった。
【タイ人保護 台湾で母親の身柄拘束】https://t.co/aOANayiBzB
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics)November 8, 2025
『朝日新聞』が警察から提供を受けた資料によると、この少女はもともとタイ北部の学校に通っていたが、今年6月、一時里帰りした実母に連れられて日本に入国し、東京都文京区湯島の「リラクゼーションマッサージ店」に連れて来られた。ところが、店に到着すると、母親は「これから生まれたばかりの弟を連れて日本を離れる」とだけ言い残し、少女をその場に置き去りにして姿を消したという。
その後、少女は警視庁の取り調べに対し、「自分が働かなければ家族が生活できないことを分かっていた。うまく接客できないと母が怒るので、仕方なく働いた」と証言している。わずか12歳の少女は、1か月の間に約60人の男性客を相手に接客を強いられていた。さらに悪質なことに、少女が働いて得た約63万円の報酬はすべて店主の細野に取り上げられ、その一部は彼女を捨てた母親の口座に直接送金されていたという。

少女は8月に別の県の風俗店へ移され、そこで引き続き働かされていたが、9月16日になってようやく自ら東京出入国在留管理局に連絡を取り、助けを求めた。「タイに帰って学校に通いたい」と涙ながらに訴えたことで、この国際的人身売買事件の実態が明るみに出て、当局の保護を受けることになった。警視庁は直ちに4つの地域の警察と合同で捜査を開始し、関係者2人を逮捕した。
人身取引の12歳、33日間で60人の客 「いやだ、やりたくない」https://t.co/x2QN3Wqh91
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi)November 6, 2025
事件の現場となった店舗が入っていたのは、地上8階建ての住居兼商業ビルである。一般企業も入居しているが、4階から8階にかけては状況が複雑で、いわゆるグレーゾーンの業態が多く見られ、タイ人女性の出入りや居住も頻繁に確認されていた。
一方、この少女を東京に置き去りにした母親については、事件の発覚を受けてタイ警察が捜査を開始。現地メディアは警察庁長官キットラット氏の話として、29歳の母親が台湾に滞在しているとの情報があると伝えた。その後、台湾当局が母親を逮捕・拘留したことがタイ政府に正式に通知されたという。

台湾当局によると、この母親は9月にビザ免除制度を利用して台湾に入国したが、滞在期限を超過したため、現在は新北市の出入国管理事務所に収容されている。タイ警察はすでに正式な手続きを開始し、台湾側に対し、母親をタイへ送還してさらなる捜査および裁判を行うよう要請している。
一方、日本メディアが事件現場となった店舗周辺を取材したところ、飲食店を営む日本人店主は次のように語った。「湯島のこの地域では、以前から中国人やフィリピン人による『違法風俗マッサージ』が存在し、ある程度知られたエリアです。こうした店では、客と“本番行為”に及ぶケースが多く、警察が摘発に入ることもしばしばあります。」
さらに店主は、「過去20年ほどは上野、浅草、湯島一帯ではフィリピン系の勢力が圧倒的でしたが、5〜6年前からはタイ系の店舗が急速に増え、今ではフィリピン勢を上回っているように感じます」と現状を明かした。
編集:柄澤南 (関連記事: タイ・カンボジア停戦協議へ 5日間の衝突で33人死亡、20万人避難 | 関連記事をもっと読む )
台湾ニュースをもっと深く⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp

















































