トップ ニュース 台湾のドキュメンタリー映画が山形国際ドキュメンタリー映画祭で快挙 『公園』が優秀賞、『侯硐奇譚』が奨励賞を受賞
台湾のドキュメンタリー映画が山形国際ドキュメンタリー映画祭で快挙 『公園』が優秀賞、『侯硐奇譚』が奨励賞を受賞 台湾ドキュメンタリー『公園』と『侯硐奇譚』が山形国際ドキュメンタリー映画祭でそれぞれ優秀賞と奨励賞を受賞。(写真/台湾文化センター提供)
第18回山形国際ドキュメンタリー映画祭(YIDFF 2025)の授賞式が10月15日、山形市中央公民館で行われ、台湾のドキュメンタリー映画が大きな成果を収めた。蘇育賢(スー・ユーシェン)監督の『公園(ゴンユェン)』が「インターナショナル・コンペティション部門 優秀賞」を、宋承穎(ソン・チェンイン)監督と胡清雅(フー・チンヤー)監督による『侯硐奇譚(ホウトンキタン)』が「アジアン・コンペティション部門 奨励賞」を受賞した。
台湾文化センターは「台湾のドキュメンタリー作品が国際的に高い評価を得たことは、社会と人々の記憶に寄り添う映像表現の力を示すもの」とコメントした。台北駐日経済文化代表処の李逸洋代表も「台湾の記録映画の創作力が再び世界の注目を集めた」と語った。
今大会では、129の国・地域から1,318本がインターナショナル部門に応募され、15作品が入選。「アジア千波万波(アジアン・コンペティション)」には、75か国1,358本から20作品が選ばれた。台湾からは計4作品が入選し、このうち『公園』と『侯硐奇譚』が受賞という快挙を達成した。
『公園』は、台湾の都市公園を舞台に、体操をする高齢者、遊ぶ子どもたち、外国人労働者の交流といった日常を通して、公的空間に宿る多層な社会の姿を描いた。審査員は「遊び心ある構成と繊細な共感のバランスにより、公共空間を記憶と関係性が交差する遊び場として再発見させた」と評価した。
一方『侯硐奇譚』は、かつて繁栄し崩壊した台湾・新北市の炭鉱跡を、元炭鉱夫の証言と風景映像のみで構成。過去の事故、語り継がれる怪談、土地の記憶が交錯する中で、「見えない時間」と向き合う作品となっている。審査員は「姿なき声と風景によって労働と魂の痕跡を浮かび上がらせる独創性」を評価した。
山形国際ドキュメンタリー映画祭は、アジア初のドキュメンタリー映画専門の国際映画祭として知られ、「独立した視点、人間への眼差し、新たな才能の発掘」を理念に掲げる。台湾文化センターは「今後も同映画祭との交流を深め、台湾ドキュメンタリーのさらなる国際発信を進めていく」としている。
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